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窓辺の小石 第190回 キーパッドの日々

マイナビニュース / 2024年11月1日 13時25分

筆者の試したのは、日本語配列でキー荷重30gのものである。評価では、前述のAPC設定をすべてのキーで3.0ミリとして行った。

コンパクトな配列というとPFUのHHKB(Happy Hacking Keyboard)を思い出すが、イメージとしては、HKKBのProfessionalシリーズにファンクションキー列を追加したものと言える。最下段やカーソルキーの配置などにも似たものがある。

まず、最上段だが、左端がEscキーで、F1からF12が4キーごとに少し間を開けてグループ化されて並ぶ。右端は、少し間を置いてDeleteキーである。

最下段は、右端がCtrlキー(L-Ctrl)でFn、Win、L-Alt、無変換、スペースと並ぶ。スペーキスーの右側は、変換キー、カナ、R-Ctrl、カーソル右、カーソル下、カーソル左が右端となる。このうちカナキー、R-Ctrlキーは通常キーより僅かに大きい。

親指シフトキーとして使おうとするとスペースキーが少し多き過ぎで、親指を内側に曲げて打たねばならない。とはいえ、キーは普通の静電容量キーなので、キートップはこれまでのものと共通。前回(「かしだし」REALFORCEを改造)同様、何とかなるのではないかと思っている。

ただ、親指シフトだと、シフトの頻度が高い(半濁音の入力など)のだが、右シフトキーが小さく、打鍵時に少し意識する必要がある。

打鍵感に関しては、従来機種と大きな差を感じない。APC(キーがオンになる位置)を深めに設定したので、膝の上など多少不安定な状態でも、他の指につられて小指が多少動いても誤打鍵はなかった。

なお、RC1では、専用ソフトを使うことで全部で4つのレイアウトを使い分けることができる。標準では、Fnキー+F1~F4にキーマップ切り替えが割り当ててあり、切り替えも簡単に行える。また、ユーザーが複数キーを割り当てることができる。ショートカット1~8が利用可能になっている。

フルキー部は、ノートPCなどでも一般的なものだが、この機種に限らず、日本語キーボードの常として右側にキーを詰め込んだ感がある。タブレットなどと組み合わせて外出先である程度のテキスト入力をするのには向いているのではないかと思う。
○ARM Cortex-M4プロセッサを採用

借り物なので、許可を貰った上で、中身を見てみた(写真01)。なお、裏蓋を開けてしまうと、保証が受けられなくなる。なので、普通に利用したければ開けないほうが無難である。

コントロール基板は、背面のコネクタの位置にある。というか、コントロール基板にUSB Type-Cコネクタが直付けしてある(写真02)バッテリはこのコントロール基盤の右側に配置されている(写真03)。

搭載されているコントローラーは、STエレクトロニクスのSTM32L433RCT6である。ARM Cortex-M4を使ったSoCで、クロック周波数は80MHz、256KBフラッシュメモリを搭載している。

また、キーボードマトリックスは別基板となっていて、こちら側にもデバイスが乗る(写真04)。おそらくは静電容量スイッチ検出用のものと思われる。

今回のタイトルネタは、フィリップ・K・ディックの短編「パーキーパッドの日々」(原題The Days Of Perky Pat, 1963)である。傑作選などのタイトルにもなったのでご存じの方もいるだろう。
(塩田紳二)



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