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富士通とAMDがAI・HPC開発で連携、サステナブルなAI基盤を27年にサービス化

マイナビニュース / 2024年11月2日 9時5分

画像提供:マイナビニュース

富士通とAdvanced Micro Devices(以下、AMD)は11月1日、AIのオープン化を加速するため、サステナブルなコンピューティング基盤の実現に向けて技術開発から事業にわたる戦略的協業に関する覚書(MOU)を締結した。両社はオープンでグリーンなAI・HPC基盤の開発を目指す。2027年にサービス化し提供開始予定だとしている。

協業の背景

締結式の後、富士通のCTO(最高技術責任者)を務めるVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏が協業の背景と目的について説明した。

「今回の協業は単に技術だけを目的としたものではない。2社が事業を一緒に作り、ビジネスを伸ばしていくための相乗効果があると考え、その結果として戦略的な協業に至った」(Mahajan氏)

近年のAI市場の活発化は言うまでもないが、その一方で企業のAI利用に伴ってコストや電力消費量の増加が課題となっている。そこで両社は、パートナーを募りオープンかつサステナブルなAI・HPC基盤を開発する。
CPU / GPU技術を持ち寄り共同開発

富士通はCPU「FUJITSU-MONAKA」を手掛けており、一方のAMDはGPU「AMD Instinct」を手掛けている。相互にテクノロジーに関するリソースを持ち寄ることで、効率的なAI処理を実現する。

具体的な協業内容は「エンジニアリング協業」「エコシステム協業」「ビジネス協業」の3つ。エンジニアリング協業では、FUJITSU-MONAKAとAMD Instinctのハードウェアおよびソフトウェアの連携を強化。エコシステム協業では両社のソフトウェア資産を活用し、オープンソースエコシステムの成長を狙う。また、ビジネス協業においては、両社でユースケースを創出し、日本のみならずグローバルでの展開を拡大する。

富士通は現在、「モダナイゼーション」「Fujitsu Uvance」「コンサルティング」の3事業が成長ドライバーとしている。それらを支える5つのキーテクノロジーとして、AIとコンピューティングを位置付ける。今回のAMDとの協業によりAIおよびコンピューティングの基盤を強化することで、富士通は成長ドライバーのさらなる価値創造とソリューションビジネスの差別化を図る。

オープンソースなAI基盤に貢献

AMDのエグゼクティブバイスプレジデントPhil Guido(フィル グイド)氏は「本日の覚書によって2社がベストなソリューションを持ち寄ることで、エネルギー効率を改善するオープンソースなAI・HPC基盤を構築できる。サステナブルなコンピューティング基盤はお客様のためになると確信している。AIの進化にはデータセンターのスペースや電力の問題が必ず立ちはだかるが、当社と富士通がコアデザインの段階からこれらの課題を解決し、お客様が生成AIのケイパビリティを使えるようにしていきたい」と、展望を語った。
(熊谷知泰)

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