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皮脂の酸化が頭皮のかゆみを引き起こすメカニズム、第一三共ヘルスケアが解明

マイナビニュース / 2024年11月6日 18時15分

画像提供:マイナビニュース

第一三共ヘルスケアは、頭皮の皮脂が酸化することで生じる過酸化脂質が、神経線維伸長に関与するセマフォリン3A(Sema3A)の減少を引き起こすことで頭皮のかゆみを生じさせるメカニズムを解明したこと、ならびに東亜化成と共同開発のハマメリタンニン(HT)高含有ハマメリスエキス(HT高含有エキス)が、過酸化脂質によって引き起こされるema3Aの減少を抑制し、頭皮のかゆみを予防・改善できる可能性が示されたことを発表した。

同成果の詳細は、2024年10月14日から17日に開催された「IFSCCブラジル大会(IFSCC Congress 2024)」で発表されたという。

頭皮の表面を覆う皮脂は、紫外線によって過酸化脂質に変化するが、そうした皮脂量と頭皮トラブルの度合いが相関することは知られていたものの、これまで過酸化脂質と頭皮のかゆみの関連性については、十分な研究が行われてきたわけではないという。

頭皮のかゆみは、「C線維」と呼ばれる神経線維の活性化によって引き起こされるが、特にアトピー性皮膚炎の患者においては、C線維の先端が真皮から表皮に侵入する現象が見られ、これには軸索ガイダンス因子として知られる神経成長因子(NGF)の増加と、神経反発因子であるSema3Aの減少が起因していることが知られている。

これらを踏まえて同社は今回、頭皮のかゆみのメカニズムの解明を目指し、皮脂の酸化によって生じる過酸化脂質が軸索ガイダンス因子に与える影響の解明を行ったという。

具体的には、表皮角化細胞および三次元表皮モデルを用いて、 代表的な皮脂成分であるオレイン酸の過酸化物(過酸化脂質として)を添加し、Sema3Aの遺伝子発現、タンパク質量の変化の評価を実施。その結果、過酸化脂質が遺伝子発現量およびタンパク質量を減少させることが確認されたという。

また、表皮角化細胞および三次元表皮モデルを用いて、HT高含有エキスを事前に添加した後、オレイン酸過酸化物(過酸化脂質として)を添加し、Sema3Aの遺伝子発現量およびタンパク質量の変化を評価したところ、HT高含有エキスにより過酸化脂質が引き起こす遺伝子発現量およびタンパク質量の減少が抑制されることも確認したという。

これらの結果を踏まえ研究チームでは、軸索ガイダンス因子は活性酸素種の発生、すなわち酸化ストレスによってバランスが乱れると考えられてきたことを受け、HT高含有エキスに活性酸素の発生を抑制する作用があると仮説を立て、細胞内抗酸化システムを活性化する指標となるグルタチオン(GSH)を用いた評価として、表皮角化細胞を用いてHT高含有エキスおよびハマメリタンニン(HT)を添加して24時間後のGSH量の解析を実施。その結果、HT高含有エキスおよびHTはGSH量を増加させることが確認されたとのことで、HT高含有エキスは単に抗酸化活性があるだけでなく、細胞内抗酸化システムを活性化する働きがあることが示唆されたとするほか、Sema3Aの発現量を改善させることが示唆されたと説明している。

なお、研究チームでは、今回の過酸化脂質によるSema3Aの減少ならびにHT高含有エキスによる減少抑制効果を踏まえ、HT高含有エキスを頭皮ケア製品へ応用することで、頭皮のかゆみの予防ならびに改善につなげられることが期待されるとし、研究成果の製品開発への応用を進め、QOL(生活の質)の向上につながる新たなソリューションの提供を目指したいとしている。
(小林行雄)

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