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2027年問題、SAP S/4HANAやクラウド移行を見据えてどう対応すべきか

マイナビニュース / 2024年11月11日 13時9分

画像提供:マイナビニュース


日本企業のデジタル化推進は、海外諸国に比べて遅れをとっている。総務省が公開した最新の「情報通信白書 」では、デジタル化に関連する取り組みについて、日本企業の回答者の約50%が「未実施/予定なし」と回答しており、米国(21%)やドイツ(17%)との差は倍以上もある。

企業規模別でみると、大企業は約25%、中小企業は約70%が「未実施」であり、業務プロセスの改善に関する全社的なデジタル化推進の取り組みを実施している割合は全体の40%を切っている。このような状況下では当然、デジタル化推進の鍵となるアプリケーション・モダナイゼーションも進んでいない。

グローバルでは、柔軟性や俊敏性の向上、また生成AIなど最新のテクノロジーの活用を視野にいれ、アプリケーション・モダナイゼーションが進展している。こうした市場トレンドの中で、基幹システムも含めてクラウドへの移行が急速に進んでいる。

海外の調査によれば、SaaSアプリケーション導入件数は1社あたり平均130件 で、ガートナー社によると2025年には新規アプリの95%がクラウド上に構築される見通しだ。
「2027年問題」とは

日本国内のアプリケーション・モダナイゼーションの話題の一つに、いわゆる「2027年問題」がある。

インメモリデータベース「SAP HANA」上に構築されたERP「SAP S/4HANA」の前身である「SAP ERP Central Component (SAP ECC)」の標準保守(メインストリームサポート)は、2027年に正式終了することが決まっている。しかし、システム移行のプロセスが複雑であり、移行に多くのコストと時間を必要とすることから、多くの企業がいまだSAP S/4HANAへの移行を完了していない。

また、クラウドへの移行となると、後述のように大きなメリットがあり、SAP社もSAP S/4HANAのクラウド版への移行を推奨しているが、移行のハードルはさらに上がる。

基幹システムをクラウドに移行することは、デジタル化を促進し、生産性を向上させるための重要なステップとなる。具体的には柔軟性や拡張性が向上し、生成AIや機械学習などの最新のイノベーションや機能をすぐに活用できるようになる。

そしてクラウドへ移行することで、企業は急速に変化する市場で競争力を維持しながら、業務の最適化や効率化が可能となる。SAP社がSAP S/4HANAのクラウド版を推奨する主な理由は、この点にある。実際、グローバルでは基幹システムでもクラウドが主流となりつつある。
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