『わたしの宝物』冬月(深澤辰哉)の純粋さが“凶器”に――本当の地獄へ突入する第4話
マイナビニュース / 2024年11月7日 6時0分
女優の松本若菜が主演するフジテレビ系ドラマ『わたしの宝物』(毎週木曜22:00~ ※TVer・FODで見逃し配信)の第4話が、きょう7日に放送される。
夫以外の男性との子どもを夫の子と偽り産み育てる「托卵」をテーマにした今作、その子どもが誕生したことで、主人公夫婦の関係性が徐々に良化していくかに見えたが、狂ってしまった歯車はもう誰も止めることはできず、“本当の父”の登場によってさらなる地獄が待ち受けていた――。
○“背負っているもの”のなさが際立つ
今回の第4話と今後を占うためにも、登場人物たちが“背負っているもの”について考えたい。
主人公・美羽(松本若菜)のそれは、当然本作のテーマである「托卵」だ。美羽は孤独だったという言い訳が通用しない、夫以外の子どもを宿してしまったことに加え、前回最大の衝撃…その“報い”の象徴であるかのように、その子に「栞(しおり)」という名前が付けられた。栞とは“本当の父”との思い出であり、その名前によって、子どもにも逃れられない“背負っているもの”が加えられてしまった。
美羽の夫・宏樹(田中圭)も、いくら子どもが生まれたことで父性が目覚め、家庭をかえりみる人物へと軟化したからといって、過去の美羽への言動は許されるものではない。それが宏樹にとっての“背負っているもの”で、それが彼の中でよぎるからこそ、今では別人とも思えるほどの変化を見せているのだろう。
それとは対照的に、“本当の父”冬月(深澤辰哉)には、“背負っているもの”が見受けられない。もちろん美羽が結婚しているということを知りながら関係を持ってしまったことや、自らが立ち上げた事業によって仲間が失われてしまったこともあるにせよ、冬月のキャラクターを客観的に見ると、どこまでもまっすぐで誠実…“背負っているもの”が全く見受けられないといっていい。だがそれこそが冬月の“芯”となるもので、それによって冬月がより異質に映り、主人公夫婦とのコントラストが明確になり、「托卵」の怖ろしさがさらに浮かび上がってくるという絶妙な構造を見せているのだ。
また、冬月が後に“背負っているもの”=“本当の父”であることが知らされるであろうことも示唆することにもなり、今後のよりサスペンスフルな構造も生んでいる。加えて冬月に思いを寄せる同僚の水木(さとうほなみ)も、爆発テロに巻き込まれた際、亡くなった人物を冬月であると偽ったという“背負っているもの”があり、このことも冬月の“背負っているもの”のなさが、際立つ効果となっている。
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