とんねるず、29年ぶりも変わらぬ「ワンフー愛」 常識を壊してきた2人が見せた“らしさ”全開のステージ
マイナビニュース / 2024年11月10日 4時0分
●1曲目直後にまさかの場内アナウンス
2024年11月、とんねるずの石橋貴明と木梨憲武が、29年ぶりに2人だけのライブステージに立った。8日・9日の2日間にわたって東京・日本武道館で行われた『とんねるず THE LIVE』――多くの“ワンフー”(※逆さ読みした「ファン」の呼称)たちがチケットを取ることができず、会場外で“音漏れ観戦”する人も続出したこのプレミアムなライブで、2人はどんなステージを繰り広げたのか。その一部をレポートする。
○『みなさん』最終回とは違った「情けねえ」
開演時刻直前、自然と発生した手拍子で2人を迎えようとする客席。それに呼応するかのように、スピーカーから鼓動を打つリズムが鳴り出すと、今度はそれに手拍子を合わせ、緊張感と一体感が徐々に増していく。
そんな中、激しいスポットライトに照らされた2人が、真っ白な衣装でせり上がってきた。大歓声と「タカさーん!」「ノリさーん!」の声援が飛び交う中でスタートした1曲目は「情けねえ」(91年)。6年半前、前身番組から30年続いた『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)最終回のラストで2人が歌った曲だ。
6年半前の歌唱では、石橋が終始眉間にしわを寄せ、まるで怒りをぶつけるかのように歌っていたのが印象的だった。この時は、歌詞の「この国を 滅ぼすなよ」を「バラエティを 滅ぼすなよ」に変えて歌っただけに、“コンプライアンス”や“世帯視聴率”に手足を縛られた状態で番組が終了することへの忸怩(じくじ)たる思いを、歌に乗せていたのではないかと感じていた。
しかし、今回の表情は全く違った。サビの「♪情けねえ!」で拳を上げる瞬間は力が入って眉間にしわの表情だが、時折見せる柔らかい笑顔にこのステージに立った喜びがあふれ出ているようだった。
○「ご退場ください」vs「アンコール」
イントロもなく始まるド頭の「♪情けねえ!」の“叫び”で一気にヒートアップした客席は、当然総立ち。キャノン砲で金テープが発射されたり、長い終奏でステージの端までやってきて何度も手を振ったりと、まるでクライマックスのような演出が、これまで数々の常識を打ち破ってきたとんねるずイズムが健在であることを確認させてくれる。
こうして初っ端からピークを迎えたような熱気の中、2人がステージから去ったところで1曲目が終了。次はMCか? そのまま2曲目か?……と期待が膨らんだところで、「以上を持ちまして、本日の『とんねるず THE LIVE』は全て終了でございます。ご来場いただき、誠にありがとうございました。係員の指示に従い、ご退場ください」と、淡々とした場内アナウンスが流れた。
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