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スペースデータ、宇宙ステーション開発基盤「Space Station OS」を公開

マイナビニュース / 2024年11月11日 13時11分

そして地球の工学的再現が求められる宇宙ステーションの開発を進めるため、同ソフトウェアには、宇宙ステーションを構成するための熱制御・姿勢制御・電力・熱・通信・生命維持などを制御するソフトウェアを搭載。また各機能を統合してシステム全体の最適化を図る機能も備えているという。

○ソフトウェアディファインドアプローチを宇宙開発に導入

またSpace Station OSでは、近年のハードウェア開発においてトレンドとなっている“ソフトウェアディファインド”とよばれるアプローチの宇宙開発への導入を提案。ソフトウェア制御を前提とし、共通ハードウェア上でソフトウェアを頻繁にアップデートすることで、機能や顧客体験を向上させる手法に寄り、柔軟かつ拡張性の高い製品や開発を実現するとしている。

特に宇宙空間ではハードウェア交換が難しく、ソフトウェアを通じて機能の追加や変更が可能になることで、宇宙ステーションの運用がより柔軟になるとのこと。同ソフトウェアではシステムとして成立する最小の機能を提供するとともに、ソフト・ハード両面の拡張性を許容するアーキテクチャを指向するという。

また、標準化されたインタフェースを通じて、各国や企業が開発した機器が互換性を持ちシームレスに連携できる環境を構築することで、宇宙ステーションの開発・運用を持続可能にし、将来の技術革新にも対応可能な基盤を提供するとした。
○ROS 2を基盤とし宇宙ステーション開発体制を変革

なおスペースデータによると、Space Station OSはロボット開発のためのオープンソースミドルウェア「ROS 2(Robot Operating System 2)」を基盤として構築されているとのことだ。

専門家によるフルスクラッチでのシステム開発が一般的だったロボット業界を、ソフトウェア再利用の促進により変革させ、開発コスト削減や信頼性向上、さらにはロボット技術者人口の増加へと導いたROSは、すでにさまざまな産業分野に広く普及した。同社は宇宙ステーション開発の現状が、ROS普及以前のロボット産業に類似しているとし、限られた専門家による独自開発から、Space Station OSによる技術や知識の民主化を経て、世界規模での宇宙ステーション共同開発の実現へと変革可能だとしている。

同ソフトウェアの開発責任者を務める加藤裕基氏は、「Space Station OSが普及し、『宇宙の民主化』が進めば、有人火星探査や、スペースコロニーの話もどんどん出てくる、つまり人類の進歩への貢献を感じられる」とコメントを残している。
(鶴海大輔)



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