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育休から“育業”へ── 職場での育児支援、都とNECが共に考える

マイナビニュース / 2024年11月13日 18時45分

さらには、「育業に消極的な企業は投資家や消費者から厳しい評価を受けかねない」「育業が長期間のほうが、より一層生産効率化に取り組むようになるため、労働生産性の向上につながる」といった経営者目線における育業取得を促進するメリット、もとい促進しないことで生じるデメリットを述べた。
○夫婦の愛情にも大きく影響

経営者目線だけではなく当事者目線でのメリットも掘り下げていく。出産前にパートナーに向けられた女性の愛情は、出産後には子供に大部分が向けられるが、子供の成長に伴ってパートナーに向けられる愛情も徐々に変化するという。

「出産直後は2人で子育てした」と回答したグループでは女性の愛情が回復する一方で、そうではないグループでは女性のパートナーへの愛情は低迷を続けると指摘。出産直後の大変な時期に子育てを夫婦でシェアできるかどうかが、その後の愛情に大きく影響すると話した。

これだけメリットが豊富であるにもかかわらず、育業取得があまり進んでいない背景として、武田さんは「企業側にとっては、人手不足や業務のクオリティ低下、『しわ寄せが来るんじゃないか?』ということがあります。また、当事者にとっては、経済的、業務的に不安を覚えやすい。『周りからどう思われるのか』『昇進に影響するのか』といったものもあります」という。

こういった不安を解消するため、社内制度の改革や組織風土の改善などの必要性を訴えた。
○育業の取得パターンは多い

後半、横山さんが登壇して育業という制度を解説。育業は主に「産後パパ育休」と「育児休業」に大きくわかれており、それぞれの違いを述べる。

続けて、子供が1歳になるまで2人で取得したり、出産直後の大変な時期に父親が取得したりなど、「産後パパ育休」と「育児休業」を上手に活用した8つのパターンを提案。さらには、子供が1歳2カ月になるまで育業を取得できる制度「パパママ育休プラス」を活かしたパターンも紹介する。

また、育児休業を取得した人の穴埋めのために契約社員や派遣社員を採用したり、穴埋する人を採用しない場合には頑張って働いた労働者に手当や賞与を与えたりなど、不公平感を生まないための組織作りについても触れた。
○まずは年休から

横山さんは育児休業取得を促進するためにまず取り組むべきことを述べる。「もし、職場の男性が育業することになった場合、あなたはどう思いますか?」という問いと比較して、「自分が育業することになった場合、上司はどう思うと思いますか?」という問いに「賛成」と回答した人は少なかった。このアンケート結果から、上司は育業取得を歓迎していない可能性を危惧している部下が多いと推測。

そういった部下の不安を取り除くため、「年休を管理職が使っていない状態で、『育業を1カ月取得させてください』とはなかなか言い出しにくい。まずは年休からです」と育業取得を促進するための第一歩を口にした。

育児休業が取得しやすくなれば、会社を休みやすい組織や雰囲気が作られるため、未婚の人にとってもメリットが大きいように思う。休みやすい社会を目指すためにも、まずは育業という言葉が広まっていくことに期待したい。

望月悠木 この著者の記事一覧はこちら
(望月悠木)



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