教養としてのハイブランド 第3回 マルジェラのカレンダータグ、丸で囲んだ数字の意味を知っていますか?

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一見普通の白シャツが、ハイブランドでは10万円で販売される理由……あなたは説明できますか? この連載では、ハイブランドと呼ばれるアパレルブランドが「ハイブランドたる所以」をわかりやすく解説していると話題の書籍『教養としてのハイブランド フツーの白シャツが10万円もする理由』(とあるショップのてんちょう 著/彩図社 刊)から一部を抜粋して紹介していきます。

今回は、アパレルに限らず香水やアクセサリーといった商品も人気のMaison Margielaについて解説。カレンダーのようなブランドタグには、特定の数字に丸印がついています。この数字、それぞれ意味があることを知っていますか？

90年代のモードを象徴する人物は誰かと聞かれたら、僕は迷わずマルタン・マルジェラの名前を挙げます。現代においても、非常にファンの多いデザイナー/ブランドですよね。

ウォルター(90年代のモード界に影響を与えた、ベルギー出身のデザイナー達を「アントワープ・シックス」と呼ぶ。そのうちの一人、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク)とは学校の同期で、アントワープ・シックスに加えて語られることも多い人物です。

Maison Martin Margiela(メゾン・マルタン・マルジェラ)は1988年に誕生したファッションブランド。フランスのブランドですが、マルタン・マルジェラはベルギーのランブールという町で生まれました。

現在マルジェラは「メゾン・マルジェラ」という名前で呼ばれていますが、これは2015年、マルタンの引退に伴い後任のジョン・ガリアーノが新たにクリエイティブディレクターに就任した際に改名されたためです。

ブランドのタグについても触れておきましょう。

マルジェラのタグは、四隅を糸で止めたデザインが大きな特徴です。またタグには0から23の数字が並んでおり、それぞれの数字には意味が割り当てられています。

この数字に丸を付けることで、そのアイテムがどういった特性を持っているかが示されているわけです。

0：手仕事により、フォルムをつくり直した女性のための服
0,10：手仕事により、フォルムをつくり直した男性のための服
1：女性のためのコレクション(ラベルは無地で白)
4：女性のためのワードローブ
3：フレグランスのコレクション
8：アイウェアのコレクション
10：男性のためのコレクション
14：男性のためのワードローブ
11：女性と男性のためのアクセサリーコレクション
12：ファインジュエリーのコレクション
13：オブジェ、または出版物
22：女性と男性のための靴のコレクション
MM6：♀のための服

メンズでよく見るのは、「10」と「14」。それぞれコレクションと、定番品をそろえたラインです。また、「0」と「0 10」は「アーティザナル・ライン」と呼ばれ、マルタンの創作の原点であり、最もクリエイティブなラインとされています。

○『教養としてのハイブランド フツーの白シャツが10万円もする理由』(2,090円/とあるショップのてんちょう 著/彩図社 刊)

ファッションが楽しくなる、やさしい服飾史の本! アパレル業界に身を置き、YouTubeにて情報発信も行う著者による初の著書で、ディオールやサンローランといった老舗メゾンから、SacaiやAURALEEといった最新ブランドまで幅広く解説している。
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