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コーセーが純粋持株会社体制への移行検討をスタート。“脱・自前主義”がキーワード

マイナビニュース / 2024年11月14日 19時30分

「VISION2026」を振り返ると、コロナ禍の影響はすでに脱し、日本、それから「タルト(Tarte)」ブランドを有する北米市場では上昇トレンドに転換しているものの、一方でアジア事業は大きな課題を抱えているという。

こういった状況を分析し、課題を「グローバル展開の加速」「稼ぐ力の再構築」「強い事業基盤作り」の3つに分類し、今回の中期戦略のコアとしている。
○国内で稼いでいた利益を成長投資に回す

事業戦略の考え方は4点。2030年に向けた目標は、年平均成長率+5%以上の持続的な売り上成長。利益創出の源泉として、「デコルテ(DECORTE)」「アルビオン(ALBION)」「タルト(TARTE)」を中心としたハイプレステージ事業を主軸とした事業構造を維持・継続する。

またグローバルサウス(ASEAN/インド)市場ではコスメタリー事業に注力。中価格帯であるプレステージ事業においては日本市場を中心にブランドの独自価値を高め、シェア拡大に繋げたいとする。

地域戦略においては、コーセー・コーセーコスメポート・アルビオン・タルトの4つの事業体を有機的に連携し、グローバル市場の攻略を推進。中華圏市場や海外免税への高い依存を脱し、次なる成長領域としてグローバルサウス市場へのシフトを目指し、海外売上比率50%以上を将来的な目標とした。

同時に、ジェンダージェネレーションの拡大を成長戦略のひとつとし、新たなお客様の開発を進める。昨年から行っているメジャーリーガー・大谷翔平選手の広告起用は、男性需要を大きく喚起することができたと評価。それ以外にも、日焼け止めを子ども・スポーツに向けて使用習慣を啓発していきたいとする。

機能戦略のうち、人事戦略においては、日本中心とした商品開発やサプライチェーンの考え方を見直し、組織や機能のグローバル視点への転換を行う。その実現に向け、日本人人材の育成のみならず、外国人人材の活躍の促進、海外現地法人における経営人材の採用や育成に取り組み、グローバルキーポスト人材充足率をKPIとするという。

財務戦略は、グローバルサウスでの既存事業成長とインオーガニックな成長に向け、成長投資を強化。同時に収益性改善を図るために、償却コストを除いたEBITDAマージンを併用。さらにコーセーグループの課題である資本効率性の低さを改善するため、資本効率性指標としてROICを導入する。

「今回の中期ビジョンにおいては、国内で稼いでいた利益を成長投資に回すことが大きなポイントです。既存事業の収益性の改善によるキャッシュの創出と手元資金を有効に活用し、M&Aや事業提携などのインオーガニックな成長のための投資に回して、新たな事業領域拡大に繋げる繋げていきたいというふうに考えています」(小林氏)
(加賀章喜)



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