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NVIDIA AI Summit Japanパネルディスカッションレポート 第1回 ソブリンAI開発は核兵器と同じ?なぜソブリンAIが必要なのか

マイナビニュース / 2024年11月18日 9時0分

画像提供:マイナビニュース

NVIDIAは11月12日~13日に、ユーザー向けAIカンファレンス「NVIDIA AI Summit Japan」を東京都内のホテルで開催した。同イベントでは生成AIやロボティクス、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)などをテーマに50以上のセッションやデモが披露された。

本連載では、イベント2日目に開催されたソブリンAIに関するパネルディスカッションの模様を、全3回に分けてお届けする。進行はNVIDIA エンタープライズ事業本部長の井崎武士氏が務めた。トークテーマは「ソブリンAI、その役割と想像する新たな可能性」。初回となる本稿では、ソブリンAIの必要性とソブリンAIがもたらす未来についてお伝えしたい。

登壇者は以下の通り。
・東京大学 大学院総合文化研究科 准教授 馬場雪乃氏
・経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 情報処理基盤産業室室長 渡辺琢也氏
・ソフトバンク テクノロジーユニット統括 データ基盤戦略本部執行役員本部長 / SB Intuitions 代表取締役社長 兼 CEO 丹波廣寅氏
・Turing 共同創業者 取締役 青木俊介氏
ソブリンAIがないと茶碗蒸しが無くなる? - ソブリンAIの必要性

井崎氏:ソブリンは「自国の」「独立国家の」といった意味を持ちます。本日はアカデミアや政府、事業会社、スタートアップとさまざまな立場の方に集まっていただきました。自国の中にデータ処理の基盤を持ち、国内のデータを使って日本のためのインテリジェンスを生み出すソブリンAIについて、議論したいと思います。まずは、日本政府が考えるソブリンAIがどういったものかを教えてください。

渡辺氏:AIは文字通りインテリジェンスであり、新しい情報処理の形です。データを原資としながらインテリジェンスを生み出していきます。日本の価値観や文化、商習慣に対応し、日本語で扱えるインテリジェンスを自分たちで作れる能力を持つということが、国家として重要だと思っています。ただし、国家だけのレベルにとどまらず、最終的には企業や組織や個人がインテリジェンスを使えるようになることも大事だと考えています。

井崎氏::では、ソブリンAIが日本の企業や組織にもたらすメリットについて考えましょう。まずは、事業会社としてソフトバンクの丹波さんはどうお考えですか。

丹波氏:渡辺さんが話したような、日本の文化や商習慣を反映したサービスがAIによって生まれるとするならば、それはソブリン性を持ったAIでしか構築できないサービスだと思います。極端な話ですが、薬の開発を例にすると、日本人の生活習慣によって引き起こされる病気の薬はアメリカ人のデータでは作れない可能性があります。逆に、アメリカ人の生活や体質に合わせて開発された薬は、そのまま日本人に使えるわけでもありません。これと同じようなことが、教育や他の業種でも起こり得ますよね。

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