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ガリレオの夢を継いで - 木星衛星の海に挑む探査機「エウロパ・クリッパー」

マイナビニュース / 2024年11月16日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

●ガリレオの発見と謎、木星衛星「エウロパ」をめぐる探査の歴史と発見
天文学者ガリレオ・ガリレイが、木星のまわりに4つの大きな衛星を発見したのは1610年のことだった。

そのうちのひとつ「エウロパ」は、20世紀に入ってからの探査により、地表が氷に覆われていることがわかり、さらに地下には液体の海が広がっているのでは、そしてもしかしたら生命が存在するのでは――と期待が高まった。

いくつもの探査計画が立ち上がるも、エウロパは遠く、さらに氷の大地の地下を探査するとなると、技術的にもコスト的にも実現は難しかった。

それでも、科学者は諦めなかった。そして2024年10月15日、その探究心と情熱が結実した探査機「エウロパ・クリッパー」が地球を飛び立った。

木星の衛星「エウロパ」

エウロパは、イオ、ガニメデ、カリストとならぶ「ガリレオ衛星」のひとつで、1610年にガリレオ・ガリレイが発見した。直径は3122kmで、ガリレオ衛星の中では最小で、地球を回る月(3475km)よりも小さい。

エウロパを初めて探査したのは、1973年から1974年にかけて、米国航空宇宙局(NASA)の探査機「パイオニア10」と「パイオニア11」にまでさかのぼる。両探査機は木星系を史上初めてフライバイし、エウロパも撮影したものの、その画像は不鮮明なものだった。

1979年には、NASAの探査機「ボイジャー1」と「ボイジャー2」がより鮮明な画像の撮影に成功し、そしてエウロパの表面が氷に覆われていること、またその特徴と構造を初めて明らかにした。

そして1995年にNASAが打ち上げた探査機「ガリレオ」は、エウロパ探査において重要な役割を果たした。ガリレオはエウロパを複数回フライバイし、その表面の詳細な画像とデータを収集した。その観測結果から、エウロパの表面下に液体の、塩水の海が存在する可能性が示唆された。その総量は、地球の海の2倍にもなると推定されている。

さらに2011年には、NASAの「ハッブル」宇宙望遠鏡が、エウロパから間欠泉のように水蒸気が噴出していることを観測し、液体の水が存在する新たな証拠として注目された。

こうしたことから、エウロパは生命の存在の可能性がある場所として注目されている。生命が存在するためには、液体の水、エネルギー源、そして有機物が必要とされる。液体の水は生命の活動に必要な溶媒として機能し、エネルギー源は化学合成や熱エネルギーによる代謝を可能にする。また、有機物は生命の基本構成要素となり得る。

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