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電力クライシスに備えよ! 世界の潮流から読み解くデータセンターの今 第5回 日本のデータセンターでもSDGsを重視した取り組みを

マイナビニュース / 2024年11月21日 7時0分

画像提供:マイナビニュース

ここまで4回にわたって、海外を中心に先端的な取り組みを進めているデータセンターの事例を紹介してきた。それらのデータセンターに共通するテーマは、いかに施設全体で持続可能性を高めていくかだ。

海外では、日本で今主眼となっている電力使用効率PUE(Power Usage Effectiveness)以外にも、再生可能エネルギーの導入率を表すREF(Renewable Energy Factor)や、冷却などに使われる水の利用効率を表すWUE(Water Usage Effectiveness)など、様々なKPI指標によってその持続可能性を測ろうとする動きがあり、こうした指標は今後日本でも注視されていく可能性が高い。今回は、日本においても始まりつつある、持続可能性というテーマへの向き合いについて、1つ事例を挙げながらご紹介したい。
再生可能エネルギーの採用や樹木の保護活動などで「環境共生型施設」を目指すデータセンター

福島県に拠点を置くエフコムは、1980年に「福島ファコムセンタ」として計算センター事業を開始。その後、2004年には会津若松に同社初となるデータセンターを開設し、2014年には新たに福島データセンターを開設した。エフコムは、「SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)投資を本質的かつ普遍的な企業価値」ととらえ、持続可能な社会の実現に向けて、社会が求めるソリューションをICT企業として提供し続けており、データセンターの効率化やCO2排出量削減にも注力している。 例えば、屋上に設置したソーラーパネルによるサーバールームへの給電や、水冷式空調機の冷却に東北地方の寒冷な気候を生かした外気温によるフリークーリングシステムの採用などによって、データセンター全体の効率化と安定化に注力し、CO2の排出量を削減する「環境共生型施設」を目指している。

エフコムの取り組みは、データセンター事業における環境負荷低減だけにとどまらない。2016年には会津若松市の磐梯山において、「エフコムの森」と名付けた森林を取得。44.5ヘクタール(東京ドームの9.5倍)という広大な土地で、針葉樹と広葉樹の混合林の維持や整備を進め、いずれは水芭蕉とホタルが飛び交う環境への再生を目指すなど、環境への取り組みも積極的に進めているほか、廃校を活用したオフィス環境の整備と太陽光発電によるオフィス内電力の創出や、使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する枠組み「RE Action」活動への参画を実施している。まさに、地域に密着しながら、持続可能で環境負荷の低いデータセンターを多面的に実現しようとしている企業というわけだ。
365日24時間の監視と分析を行う

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