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山田祥平のニュース羅針盤 第464回 Web検索にも生成AIが浸透。コンテンツは誰のもの?

マイナビニュース / 2024年11月19日 6時0分

似たようなものとして、Googleの検索結果の前には広告が表示され、そのあとに検索結果リストが続くこともある。広告に先に目がいってしまい、そこを開いて満足してしまうエンドユーザーも少なくないのだが、広告と検索結果が明確に区別されていることを知り、それを知った上で利用する限りは大きな損失はない。
○動画配信サービスと似た生成AIのビジネスモデル

そもそもGoogle検索やBing検索は無料で使えるし、Bingなどでは多様なコンテンツを無償で楽しむことができる。Yahoo!にしたって同様だ。こうしたサービスを支えているのは広告にほかならない。いってみれば民放各局の番組コンテンツを無料で楽しめるのはスポンサーの広告がコンテンツに割り込むかたちで挿入されているからで、それと同じだ。

その一方で、ここ数年で登場した生成AIサービスのビジネスモデルは、多くの場合サービス利用料金を設定し、そのコストの一部をユーザーに負担させるようになっている。もっともシンプルなものが無料で、支払う金額によって処理系が異なるなどの付加価値が得られる。

NetflixやU-NEXTといったサービス、また、YouTubeなどでは、毎月の利用料金を徴収し、コンテンツは見放題とするか、広告が入る料金は少し安い、あるいは無料といった差別化をしているが、こうした動画配信サービスのモデルと似ているといえなくもない。

生成AIのビジネスモデルに広告のロジックを入れるにはどうすればいいのか。各生成AIサービスでそれについて尋ねてみても、なんとなくボンヤリした回答でよくわからない。AIに質問してなんらかの反応が返ってくるときに「この先は広告コンテンツです」といった断り書きを表示するというのもなんだかなぁと思う。
○企業や組織が生成AIを使いにくいワケ

これは現在のWebコンテンツでも同様なのだが、広告は広告であることを明示しないとステルスマーケティングと見なされてしまう。

そういうコンテンツを作ってしまわないように、企業や組織は生成AIを使うことに臆病になる。タダより怖いものはないというわけだ。ステマになってしまったり、知らない間に第三者の知的所有権を侵すことになってしまったりするくらいだったらコストを負担するから、いっさいの広告、そして他人の知財はまぜてくれるなというシンプルな要求にたどりつく。

われわれ人間は、いろんなところで学びを得る。学びを配信するのは学校の教室で授業する教師だったり、図書館の蔵書だったり、テレビやラジオの番組、そしてインターネットを介して入ってくる各種コンテンツなどだ。

有料のもの無料のものを含め、その多くの情報元からなんらかの知的財産を分けてもらっているのに近い。それを吸収して知識をもった大人になるわけで、知識ゼロの赤ん坊が、何かを学んで成長するためには、別の誰かの知識が源泉となる。

生成AIの将来を形作るのは何なのか。今こそ、そのことをじっくりと考えなければならない。

著者 : 山田祥平 やまだしょうへい パソコン黎明期からフリーランスライターとしてスマートライフ関連の記事を各紙誌に寄稿。ハードウェア、ソフトウェア、インターネット、クラウドサービスからモバイル、オーディオ、ガジェットにいたるまで、スマートな暮らしを提案しつつ、新しい当たり前を追求し続けている。インプレス刊の「できるインターネット」、「できるOutlook」などの著者。■個人ブログ:山田祥平の No Smart, No Life この著者の記事一覧はこちら
(山田祥平)



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