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日本で生まれ世界が育てた「絵文字」、アップル「Genmoji」の登場でどう変わる?

マイナビニュース / 2024年11月21日 18時30分

加えて、多様性の問題もあります。もともとの絵文字では、肌の色は黄色人種、警察官や消防士は男性のみ、カップルは男女と、人種やジェンダーの多様性がない状態で収録されてきました。

これについても、肌の色を選べるようにしたり、男性同士、女性同士のカップルや家族を収録したり、職業を表すコスチュームには男性・女性双方を追加したりと、対応が進んできました。
Genmojiで大きく変わる可能性

標準化によってていねいに世界言語として育ってきた絵文字。しかし、この世界観を大きく揺るがしかねない自体が、早ければ2024年12月にやってきます。

それが、Appleが独自の生成AI「Apple Intelligence」の機能として用意している「Genmoji」です。生成絵文字、というべきこの機能では、ユーザーは標準化・収録されていない絵文字をデバイス上で作り出し、メッセージなどで利用できるようになります。

つまり、人々が勝手に絵文字を作り出せるようになり、絵文字のバリエーションは無限に広がることになる可能性を秘めています。

Appleとしては、既知のブランドや著作物でないこと、実写じゃないこと、差別的・暴力的など社会規範に反する表現でないことといった条件を与えていますが、その範囲であれば絵文字が生成できます。

となると、人々は、絵文字になっていない料理を絵文字化してみたり、羽が生えたカメ(これはIP的にアウトかも?)を作り出してみたりと、その自由度が格段に広がるのです。

AppleのiMessage同士なら、文中にGenmojiを入力でき、あたかも収録されている絵文字であるかのように使うこともできます。

ある意味においては、絵文字の表現が解き放たれるかもしれません。しかし一方で、絵文字が標準化を通じて培ってきた、世界言語として愛され使われている言語性を失うかもしれないのです。

2024年12月のアップデート以降、英語圏でGenmojiが使われるようになる予定です。そのリアクションに注目しましょう。

著者 : 松村太郎 まつむらたろう 1980年生まれのジャーナリスト・著者。慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程終了後、ジャーナリストとして独立。2011年からはアメリカ・カリフォルニア州バークレーに移住し、サンフランシスコ・シリコンバレーのテクノロジーとライフスタイルを取材。2020年より、iU 情報経営イノベーション専門職大学専任教員。 この著者の記事一覧はこちら
(松村太郎)



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