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“圏外のない社会”実現へ。スカパーJSATが衛星活用の「NTN」技術試験開始

マイナビニュース / 2024年11月22日 14時5分

画像提供:マイナビニュース

スカパーJSATは、高度が異なる通信インフラを融合させて『圏外のない社会』をめざす、非地上系ネットワーク「Universal NTN」の実用化に向けた技術試験を11月から開始。事業化への活動を本格始動すると同月18日に発表した。

「Universal NTN」(NTN:Non-Terrestrial Network)は、人工衛星や高高度プラットフォーム(HAPS)といった多様な通信プラットフォームを介して、地上に限定せず海や空、宇宙など異なる空間を多層的につなぐシステムのこと。

赤道上空約36,000kmから常に同じエリアをカバーできる静止軌道(GEO)衛星や、より地球に近い軌道上を周回する非静止軌道(non-GEO)衛星、地上から約20km上空の成層圏を無人で飛行する機体に通信・観測サービス機能を持たせたHAPSといった、非地上系の通信インフラを組み合わせてネットワークを構築。

海洋や山岳地帯といった地上系ネットワークではカバーが難しいエリアや、自然災害時にも、確実な通信手段として活用できるようににし、「時間や場所を問わず、適切な容量・速度で通信できる『圏外のない社会』」をめざす。

Universal NTNの実現にあたり、スカパーJSATは産官学の多様なパートナーと連携し、オープンイノベーションを通じてビジョンと技術を共有・共創。「圏外のない社会」をつくるために活動進捗について随時情報を発信し、国内外のパートナーとの環境づくりや、実現性の確認に向けた試験に積極的に取り組み、事業を進めていくとしている。

Universal NTNの実現に向けたこれまでの取り組みとして、スカパーJSATでは2022年4月、アジア最大の衛星通信事業者としてNTNの構築・実現に貢献するため、携帯電話など移動体の通信規格・技術仕様を策定するプロジェクト「3GPP」へ正式参画。

標準化会合では、非地上系ネットワークと地上系ネットワークのシームレスな連携や、NTNのマルチオービット・マルチオペレータに関するユースケースや要求条件のほか、スカパーJSATが商用利用しているKuバンド(12-14GHz帯)の周波数帯を5G NTN対応バンドとする取り組みなど、Universal NTNのコンセプト実現に向けた提案を行っている。
(庄司亮一)

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