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リュウグウの砂粒から見つかった塩の結晶 - 宇宙空間を解き明かす新たな鍵に

マイナビニュース / 2024年11月22日 18時11分

液体がなくなる現象として考えられる可能性の1つは、塩水の蒸発だ。母天体の内部から表層の宇宙空間にまでつながる割れ目が生じると、天体内部の液体は減圧されて蒸発することが考えられる。地球上では大陸内部に取り残された湖が干上がった時に高濃度の塩水が生じ、ナトリウム炭酸塩や岩塩などが析出することが知られている。それらは「蒸発岩」と呼ばれており、リュウグウ母天体でもそれが生まれた可能性があるとする。

もう1つの可能性は、液体の凍結だ。母天体を温めていた放射性元素が乏しくなると天体は冷えてゆき、塩水は徐々に凍結するはずだ。塩水に溶けた陽イオンや陰イオンは氷には取り込まれにくいので、凍結が進むと残された塩水の濃度は高くなり、濃い塩水からは塩結晶が析出する。凍結した氷はやがて現在に至るまでに宇宙空間へと昇華してしまったことが考えられるという。

現在のリュウグウに大量の液体は見られず、サンプルも濡れていないため、母天体内の液体の水がどのように失われたのかは不明だった。しかし今回の研究により、リュウグウの母天体では蒸発、もしくは凍結によって液体の失われる現象が起こったことが初めて明らかにされた。

サンプルから発見されたナトリウム炭酸塩は、地球に落下した隕石からは見つかっていないため、研究チームにとって今回の発見はまったくの予想外だったという。一方で、準惑星セレスや木星の衛星エウロパ、土星の衛星エンケラドスなど、地下の内部海の存在が予想される天体では、塩類が検出されている。たとえば、セレスには内部海の物質が凍って吹き出す氷火山があり、ナトリウム炭酸塩は噴出物の主要な成分だ。エンケラドス表層の氷の裂け目から噴き出す間欠泉にも、ナトリウム炭酸塩や塩化ナトリウムが含まれている。種々の塩類は天体の水の成分や進化を反映するため、塩の結晶はリュウグウと太陽系の海洋天体との水環境の共通性や違いを比較できる新しい手がかりになることが期待されるとする。とりわけ、太陽系の水環境に注目することは、生命の材料である有機物の水中での化学反応を理解することにもつながるとしている。
(波留久泉)



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