バイプレイヤーの泉 第145回 森香澄、“あざとさ”進化論を世間に見せつけてくれ
マイナビニュース / 2024年12月2日 19時0分
かつては田中みな実さんも、彼女と同じような立ち位置であった。でも田中さんはどこまでも自分を貫いて、女優業に邁進している。遥か昔は故・野際陽子さんもNHKアナウンサー出身で、女優として開花した。偉業はそれだけではなく、当時は珍しかった海外留学後に、ミニスカートを日本に持ち込んだ人物であったことも知られている。つまり二人とも開拓者。森さんの力強さが同じように開花してほしいと思う。
○新しい"あざとさ"へ
チャレンジイズムに加える形になるが、SNSなど世間で何を言われても知らぬが存ぜぬという雰囲気もいい。
真相はご本人でなければ分からないこと。ひょっとしたらエゴサーチの鬼で、世間の揶揄をエネルギーに変えているかもしれない。実際、そういう著名人を何人か知っている。もしくは本当に気にならないか、気にしないふりをしているのか。ちなみに私にはエネルギー変換に見える。
写真集の発売時、SNSで発信した「28歳という、まだ未熟だけど、子供ではない」というコメントに炎上していた。けしてネガティブキャンペーンではない。揚げ足取りにもほどがあると笑ってしまったけれど、あれは森香澄だからこそ燃えた事例だ。
なぜ注目を浴びるのかと言えば、前述の田中みな実さんから続く"あざとい"というイメージが森さんにはある。"あざとい"の意味をウエブ辞書で調べると「自分を最大限に可愛く見せる方法を熟知しているかのような自己演出的な可愛さ・可憐さ」と出てくる。ほほう。つまり可愛い子が自分の容姿を利用して、異性や世間に媚びていると言いたいらしい。
私は"あざとい"の意味は、とっくに進化していて褒め言葉であると捉えている。スポーツ新聞やネットニュースを見ていると、いまだに媚びた意味で使われているけれど、女性を嘲笑する意味も含まれているので腹立たしさもある。
自分を知って、個性を磨いて、前に出ていこうとする。この力がないと、デリケートかつ辛辣な令和のこの世は、なかなか前に進めない。立ち止まったままになってしまう。この理論でいくと、森さんの前進していく背中は女性が見習ったら何かいいことがありそうな力を秘めていそうな気がする。その力が"あざとさ"。だから彼女のことが好きなのですよ。
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