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日々を豊かにする大人の嗜み - アンティーク時計の魅力【前編】

マイナビニュース / 2025年2月4日 11時4分

筆者は30年近く、スイスや日本の時計メーカーのファクトリーを訪れて取材を続けてきた。その経験から自信を持って言えるのは、今の時計はデザインも機能も耐久性も、すべてすばらしいということ。設計や製造を行う技術の進化も著しく、製造時の品質管理はほぼ完璧。だから機能や精度、その信頼性や耐久性も、昔の時計や10年前のものより格段にアップしている。

特に2010年以降の技術や品質の向上は目覚ましい。だから、普通に「毎日使う時計が欲しい」なら、絶対に現行品をおすすめしたい。そんな人は、アンティーク時計に手を出してはいけない。絶対に後悔するからだ。

「そうですね。アンティーク時計を現行品の時計のように使うことはできません。『毎日着けられる時計』ではありません。夏場のように汗をかく時期は特にそうですね。アンティーク時計を楽しむには、時計に対する理解と注意が必要なのです」(藤原さん)

いちばんの違いは「防水性」

現行品の時計は普通に着けて毎日使っていいのに、なぜアンティーク時計は「毎日着けられる時計」ではないのか。現行品とアンティークの最大の違いは何か。それは「防水性の違い」だ。

「アンティーク時計には、現行品のような防水性はありません。アンティーク時計を初めてご購入されるお客さまにはまず『防水性はゼロです』とお伝えすることにしています。当店が販売している1940年代から50年代、60年代のアンティーク時計は、ケースの裏ぶたがスナップバック式という防水性のない構造です。リュウズ部分の防水パッキンも、長い年月の間に劣化しています。だからといって交換することもできませんから」(藤原さん)

多くの腕時計が「いつでも腕に着けていても心配なく使える」現行品のようなしっかりした防水性を備えるようになったのは1970年代以降のこと。だが、1970年代当時のものも、すでに製造から半世紀以上が経過している。その結果、防水機能を担っているゴム製のパッキンも経年劣化しているので、製造当時のような防水性はまったく期待できない。だから「防水性はゼロ」だと覚悟しておいたほうがいいだろう。

それでも、アンティーク時計には現行品の時計にはない、大人のあなたにぜひおすすめしたい“異次元の魅力”がある。次回は、その奥深い魅力と楽しみ方、選び方をご紹介する。

取材・文・写真/渋谷ヤスヒト

渋谷ヤスヒト しぶややすひと 時計ジャーナリスト、モノジャーナリスト、編集者。1990年代前半から徳間書店のモノ情報誌「GoodsPress」と同誌別冊の時計専門誌の編集者として時計の取材&執筆を開始。1995年からはジュネーブとバーゼルのスイス2大時計フェアと現地の時計ファクトリーの取材をスタート。徳間書店退社後の2003年以降、現在まで時計フェアと時計ブランドの現地取材を続けている。スマートウォッチやスマートフォンもカバーする。ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPHG)アカデミー会員、日本時計学会会員。 この著者の記事一覧はこちら
(渋谷ヤスヒト)



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