AI時代の新潮流! 音声×AIがもたらすビジネス革命 第4回 営業を進化させる『音声×AI』活用法
マイナビニュース / 2024年12月20日 17時0分
「話している内容」も成果に影響します。アポイントや受注につながった商談を対象に、よく使われるキーワードの出現回数を調査。さらに、音声を聞き直すことで、よく使われるキーワードはどのような文脈、話題のときに使っているのかを確認できます。
例えば、受注につながった会話には、カスタマーサポートの手厚さなどサービス導入後のサポートに関する言葉が多く含まれていて、受注につながらなかった会話にはそのような単語が少なく、「今なら安く加入できる」「他社より安い」という導入前の言葉が多く含まれているといったことがわかれば、このような差が受注率に影響しているのではないかと仮説を立てて、スクリプトを変更したりキーワードを多く入れたりといった改善ができます。
○「行動」の最適化
営業成果は「話し方」や「話す内容」のほかに、行動面も分析できます。具体的には、営業担当者が「いつ」「誰に」「何回電話をしたか」「訪問したか」という履歴から、ハイパフォーマーとミドルパフォーマーの行動を比較します。この分析をもとに、成果を上げるための最適な行動パターンを見つけられます。
多くの企業は電話や顧客訪問の回数といった「行動量」をKPIとして設定しています。ハイパフォーマーほど行動量が多く、電話や訪問の回数と成果が比例していれば、行動量をKPIとする方針は正しいといえます。
しかし、明確な相関関係がない場合は、原因は別にあると考え行動分析を行います。
電話をかける回数を例にすると、過去に電話をかけた時間帯の通電率を分析することで、電話をかける回数を増やさなくても効率よくアポイントが取れるようになるかもしれません。
ある企業では、電話をかけてから何回コール音が鳴るまで待つかを分析したところ、3回で切る人よりも5回まで待つ人のほうが多くアポイントを取れていることが判明しました。
これまでは、人を増やし、売り上げを増やしていくことが主流でした。しかし、人手不足が深刻になるこれからの時代は、やみくもに行動量を増やすのではなく、このような細かな分析により、少人数でも生産性をあげ、受注率を高める方法を見つけることが求められます。
音声データを営業活動に活用していくためには、まずは担当者にメリットを感じてもらうことも重要です。会話の分析による成果の向上に加え、AIによる議事録作成等、営業担当者の業務負担が軽減されると、より積極的に活用が進みます。
音声データを活用するメリットを感じてもらい、自ら進んで使ってもらうような体制を構築することで音声を活用したデータドリブンな営業活動が可能になります。
(岩木華子)
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