カイロス2号機はなぜ飛行中断? 原因調査中も「1段目ノズル制御で異常発生」と説明

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スペースワンは、12月18日11時のカイロスロケット2号機打上げ結果について、同日14時30分から記者会見を開催。同社の豊田正和社長は「衛星を軌道に投入させるという最終段階まで達成させられず、関係者各位にお詫びしたい。また、打上げを応援してくださった皆様の期待にも十分応えられず大変残念だ」と述べた。

カイロスロケット2号機は、リフトオフから順調に高度を上げたものの、約3分後に飛行中断措置を実施。原因については対策本部を立ち上げて調査中とのことだ。

記者会見のなかで同社取締役の遠藤守氏は、現時点では飛行データを断片的に確認した状況としたうえで、「リフトオフから80秒過ぎに1段目のノズルの駆動制御(電動式)に異常が発生しているということがわかった。その結果、飛行中のロケットの姿勢にも異常が見られるが、1・2段分離と第2段の点火、フェアリングの開頭、ここまでは計画通りに進んでいると確認できた。我々の目標であるステップ3までは達成できたという認識だ」とコメント。

一方で飛行経路と飛行中断措置については、「想定の飛行経路より南方向に飛んで、西側に飛行が徐々にずれていき、計画していた飛行経路であらかじめ設定している限界線を超えたため、3分7秒の時点で飛行中断が行われた」と説明。

今回のカイロスロケット2号機打上げについては、人工衛星の軌道投入には至らなかったもののステップ3までは達成していることから、同社では“失敗”という認識をしてないことをあらためて強調している。

豊田社長は会見の中で、「この結果を前向きに捉えて、次の挑戦に臨みたい。今後もスペースワンは失速することなく、小型ロケットによる打ち上げ、サービスの実現に向けて邁進する」と述べた。
（庄司亮一）