2024年のHRトレンド3選、「カスハラ対策」「スキマバイト」あと1つは? 2025年の注目トピックは?
マイナビニュース / 2024年12月19日 17時10分
昨今、企業は働き方や人材確保、多様性などさまざまな課題に向き合う必要がある。そんな中、企業人事や転職市場を取り巻く環境は、2024年も急速に変化した。今回は、12月17日に開催されたパーソルホールディングスが開催した勉強会「データで読み解く企業人事と転職市場 2024年振り返りと2025年トレンド予測」の様子を詳しくレポートする。
■2024年のHR市場トレンド
勉強会の前半は、パーソル総合研究所 上席主任研究員の小林祐児氏より「2024年のHRトレンド」が解説された。2024年のトレンドワードは、次の3つ。
カスハラ対策
スキマ・バイト
オフボーディング
○1. カスハラ対策
小林氏によると、「カスハラ」は2024年上半期に最も話題を集めたワードの1つで、下半期にも増加が見込まれるという。政府や自治体も積極的にカスハラ対策に乗り出し、東京都では「カスハラ防止条例」が全国で初めて可決された。
「民間企業も一気にカスハラ対策を始めましたが、カスハラ自体は昔からずっとある。日本はサービス産業の人手不足が叫ばれて久しいですが、『ようやく動き出した』というのが現場の本音でしょう」と小林氏。
「パーソル総合研究所 カスタマーハラスメントに関する定量調査」によると、顧客折衝があるサービス職のうち、カスハラ被害経験者は35.5%にのぼる。同氏によると、そうした状況は人手不足に直結していると言い、「カスハラ経験者の転職意向は1.8倍から1.9倍高く、実際の離職率を比べてみても、カスハラが起こっている職場は起こっていない職場より1.3倍高くなっています」と話す。
こうした状況の中、ようやくカスハラ対策がトレンドになった。実際にカスハラが増えたかどうかは不明だが、主観として増えたと答える人は多い。その理由について、「社会のロングトレンドと短期トレンドが影響している」と、小林氏は分析する。
社会のロングトレンドとして、サービス産業全体が拡大している一方、人手不足によってサービス品質は低下。これにより期待する品質とのギャップが大きくなった。また、SNSやスマホが普及したことで、動画を撮りながら脅す、その場で本部にクレームを入れるなど、カスハラ手法の多様化につながっている。そのほか、カスハラにおよぶ人は高齢者に多く、周囲に止める人のいない単身世帯の増加や、高齢者の社会活動の活発化などもカスハラ問題の背景には隠れている。
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