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歴史を感じる“温もりのある”アイテムへ - 2024年、そして2025年の腕時計トレンド

マイナビニュース / 2024年12月30日 11時45分

画像提供:マイナビニュース

「お手ごろ価格のスイス時計」と「シンプルな機械式ウォッチ」――。

それが今年2024年を象徴する、そして皆さんに注目してほしい時計業界のトレンドで、しかもオススメしたい時計のジャンルだ。来年2025年もこのトレンドは続くだろう。

なぜこのトレンドが生まれたのか? その背景には“高級時計市場の飽和と進化”という事実が。さらにその背景には、1980年代後半〜1990年代初頭にかけて起きた「腕時計の意味と価値」に関する大きなパラダイムシフト(常識の変革)がある。

腕時計をいま「時を知る道具」と考えている人はほとんどいない。自分のスタイル、いま、腕時計は着ける人、所有する人の「好みや趣味、個人のセンスを表現するファッションアイテム」になっている。これぞ、そのパラダイムシフトだ。

この歴史的な大変革のきっかけ。それは間違いなく携帯電話の登場だった。機械式時計ブームは実は、1994年の携帯電話の個人所有解禁と同時期に始まっている。このころからすでに、腕時計の機能と価値は「時を知る道具」から「自分を表現するファッションアイテム」へと変化を始めていたのだ。

当時、私は月刊モノ情報誌の「GoodsPress」(徳間書店刊)の編集部員で、時計の取材を始めたころ。ちょうど携帯電話の取材も同時に行っていた。国内の時計工場の取材をしながら、どのキャリアのどの携帯電話がオススメかという記事を何度も執筆、編集していた。

携帯電話をめぐるニュースで筆者にはひとつだけ、いつも違和感を覚えることがあった。話題になるたびに紹介される「これで腕時計が不要になって、売れなくなる」という予測だった。確かに携帯電話の時刻表示は時計よりも格段に正確だった。でも、機械式時計ブームも同時に起きていた。そのことを知っていたからだ。

そして腕時計をめぐる状況は、このメディアの予測とは真逆の方向に推移していく。携帯電話の個人所有解禁とほぼ同時期、1990年代半ばに始まった機械式時計ブームは、時計マニアから普通の人たちにじわじわと拡大。さらに高級時計ブームへと進化していく。

高級時計ブームの後押しをしたのは、腕時計の「天敵」扱いされていたスマートフォンやスマートウォッチだった。このふたつが進化して話題になるたびに、スイス時計の世界への総輸出額は右肩上がりにアップ。2000年から2015年では2倍以上に。その後、一時的にコロナ禍で落ち込んだものの、2023年の総輸出額は2000年の2.6倍と史上最高を記録している。つまり、高機能なパーソナルデジタルデバイスが普及するほど、人は腕時計を欲しがるようになったのだ。

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