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バーで役立つ洋酒の知識 第9回 百花繚乱のウイスキーを楽しめるボトラーズの世界

マイナビニュース / 2025年1月1日 11時30分

画像提供:マイナビニュース

ウイスキーをバーで飲んでいて、「ボトラーズ」という言葉を聞いたことはありませんか? 瓶詰め業者、つまり「ボトラー」が詰めたウイスキーという意味で、蒸留所やウイスキーメーカーが出している「オフィシャル」とは異なります。今回は、このボトラーズ・ウイスキーの基本と魅力をご紹介します。

○蒸留所から原酒を買って自社で瓶詰めするボトラーズ

蒸留所が自ら製造・販売する商品はオフィシャルボトルと呼ばれます。流通量が多く、ラベルやパッケージが統一され、名前を聞くだけで味わいがイメージできるでしょう。アルコール度数は40~50%ほどに加水調整されているものが主流です。

一方、インディペンデント・ボトラーズと呼ばれる独立した瓶詰業者は、蒸留所から樽ごと原酒を購入します。自社の倉庫で熟成を続行させ、その後に瓶詰めを行い、独自のラベルで販売します。そのため、蒸留所や既存のウイスキーブランドのイメージに縛られず、自由な発想でウイスキーを作ることができます。

例えば大手蒸留所の原酒を用いたとしても、加水調整せずに樽出し(カスクストレングス)で提供するなど、独特のアプローチができます。樽出しはアルコール度数が60%前後と、とても高くなるのですが、そのパンチの効いた美味しさにハマる人も多いのです。

オフィシャルシリーズでは使っていない樽に詰め替えて熟成させることもあります。熟成年数もボトラーズが自由に決められるので、12年18年25年以外の年数表記も多く、色々と楽しめます。もちろん、オフィシャルでは見られない、超長期熟成することもあります。さらには、オフィシャルのシングルモルトウイスキーを販売していない蒸留所の樽がボトラーズから販売されることもあります。

ボトラーズが蒸留所から購入できる樽の数は限られているので、1製品当たりのボトル本数は数十本から数百本と、とても少ないのも特徴です。1樽から1製品を瓶詰めするシングルカスクも多く、同じ製品に将来出会う可能性は低い一期一会のウイスキーと言えます。

○オフィシャルとは異なる仕上がりを楽しめるのが魅力

ボトラーズの多くは、ラベルに詳細な情報を記載していることが多く、それを見るのも楽しみのひとつ。原酒を作った蒸留所名や蒸留年月、瓶詰め年月、熟成年数に加え、熟成に使った樽やその製品の製造数と製造番号も書かれていることがあります。オフィシャルボトルとは一線を画すポイントです。

好きなウイスキーのボトラーズを飲むのは何よりも楽しく、いい経験になります。異なる業者が入って、余計な手間がかかっているので、ボトラーズは高そうに思えますが、同じ熟成年数であればそこまでプレミアが付くことはありません。比較的安くなっていることのほうが多いのではないでしょうか。もちろん、仕上がり具合やボトラーズによって価格が上がることはあります。

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