1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第185回 値引き規制で一層冷え込む2025年のスマホ市場、大きく動くローエンドとハイエンド

マイナビニュース / 2025年1月6日 16時10分

ゆえに2025年は、ローエンドのスマートフォンで大きな成績を収めたメーカーが市場で大きな存在感を示すことになるのではないだろうか。とりわけモトローラ・モビリティを傘下に持ち、なおかつ「arrows We」シリーズなどローエンドの人気モデルを持つFCNTの事業を承継した中国のレノボ・グループは、市場での存在感を大きく高める可能性が高い。

メーカー直販の拡大で重要性高まるハイエンド

ただローエンドモデルは薄利多売のビジネスとなるため、それで利益を出せるメーカーはかなり限られてくる。そこでより多くのメーカーが取ることになるのは、ハイエンドモデルの販売強化ではないかと筆者は見ている。

機能が豊富で性能も高いが、価格は20万を超えるなど非常に高額なハイエンドモデルは、大きな関心を集めやすい一方で値段も非常に高く、政府によるスマートフォン値引き規制の影響もあって携帯大手が調達を減らす傾向にある。それにもかかわらず、2024年には高額なフラッグシップモデルをあえて投入する動きが強まっていたのだ。

実際2024年には、これまでフラッグシップモデルを投入してこなかったシャオミが、フラッグシップの最上位モデル「Xiaomi 14 Ultra」をあえて日本市場に投入しているし、中国オッポもおよそ3年ぶりにハイエンドモデルの新機種「OPPO Find X8」を投入。また当初ハイエンドモデルを投入しないと見られていたシャープも、秋冬商戦に向けて「AQUOS R9 Pro」をあえて投入したことに驚きの声が多く挙がっていた。

売れないはずのハイエンドモデルにメーカーがあえて注力するのには、販売の主導権が携帯電話会社からメーカー側に移りつつあることが影響している。日本のスマートフォンは依然、携帯大手3社からの販売数が多いことに変わりはないのだが、一方で政府のスマートフォン値引き規制の影響によってその調達数が落ち込んでおり、メーカー側も携帯電話会社に依存していては販売を伸ばせなくなってきている。

そこでここ数年のうちに、スマートフォンをメーカー自身がオープン市場に向けて直接販売する取り組みが急拡大しているのだが、実は携帯電話会社とメーカーが売りたいスマートフォンには大きな違いがある。携帯電話会社は通信回線の契約を獲得するのが主目的であるため、多くの人に売りやすいスマートフォンを求める傾向にあるのだが、メーカーにとってメリットが大きいのは高い利益を出せるスマートフォン、より具体的に言えば値段が高いハイエンドモデルである。

そして20万円以上するスマートフォンを購入してくれる顧客は、そのメーカーのファンでもあり、他の製品の購買につながる可能性もある重要な顧客でもある。それゆえメーカーによる直接販売の傾向が一層強まる2025年は、少数のユーザーに向けてあえてハイエンドモデルを投入し、ファンの獲得に注力する動きも一層強まってくるのではないだろうか。

もちろん、国内での販売の主力がミドルクラスであることに大きな変わりはないだろうが、2025年はローエンドとハイエンドという両極にあるスマートフォンで大きな動きが起き、それが市場全体に大きな影響を与えるのではないかと筆者は予想している。
(佐野正弘)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください