1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

カレー沢薫の時流漂流 第334回 恋愛禁止が3次元の話でよかった

マイナビニュース / 2025年1月13日 15時43分

しかしどこまでが「色恋営業」なのか。

「俺今度ナンバーワンになったらお前と結婚するんだ」など、あらゆる意味で結婚が実現しそうにないことを言って、金を引っ張り、性風俗勤務に誘導したり脅すような文章や音声が証拠として残っていなければ詐欺や強要ではなく色恋営業と見なされるだろう。

だが、相手には全くその気がないのに勝手に好きになる、というのは普通の恋愛でもよくあることだ。

たまにストーカーやセクハラをした人が「笑顔であいさつしてくれたから向こうもこちらに気があると思った」と言い訳をして呆れられているが、あれは半分笑えない。

確かに、目が合っただけで「こちらに気がある」と勘違いできるほどの高みにはなかなか到達できないだろう。

しかし私のように完全共学の高校3年間で記憶している男子と会話が2回のみ、むしろ2回と数えているのがキモい、恋愛以前にコロナ前から異性がロックダウン、緊急事態宣言解除予定なしなタイプにとっては、「普通に話しかけられただけで好きになる」は十分あり得るし、何だったら消しゴムを拾ってもらっただけでも好きになる。

ハマる素養は十分にあるので、例え我が街の「女優」がホストクラブだったとしても足を踏み入れない方がいいのだ。

行ったことがないので想像になるが、おそらくホストクラブというのは「教室内カースト最底辺女子体験ができる」というコンセプトクラブでないなら、イケメン寄りの男に普通以上に話をしてもらえる場だろう。

つまり、ホストがどれだけヤフーニューストップに載っているような話しかしてこなくても、客によっては好きになってしまうし、それを「色恋営業された」と訴え出てくるケースも予想できる。

もし色恋営業が「客がガチ恋して金を使ったらそれはもう色恋営業」という基準だったら、ホストは会話禁止どころか客と1.5メートル以上離れて目を合わすことも禁止となり、ホストクラブは一瞬にして「教室にいたあの頃の俺たち」の集まりになってしって実に健全である。

その空間は現実で6年ぐらい経験しているのでもういい、むしろそんな現実を忘れさせてくれるのがホストクラブなはずなのだが、もはや暴対法と同じで、とにかく昔から問題が多かったホスト業界の気勢を削ぎたいがための法改正なのかもしれない。

ただホストに大金を使う理由が単純に色恋だけなのかは不明である。もちろん恋愛感情はあるかもしれないが、自分の担当を買い支える快感や、他の客への対抗心など色恋だけでは収まらない理由もありそうだ。

また私のように、自己肯定感が低い割に自分を守ることにだけは長けた人間は、「どうせホストは金目当てで私なんかに優しくしてくれている」という、あまりにも当たり前すぎる事実を受け入れられずにホストクラブへ行こうという気にすらなれないのだが、逆に「何の理由もなく優しい男より、金という明確な対価を払っている男の優しさの方が安心する」というタイプもいるそうで、ホストにはまる女の心理は色恋だけでは片付けられないものがある。

2次元の推しでも、グッズなど金をつぎ込もうと思えばいくらでもつぎ込めるが、「お前が課金してくれないとサ終かも」など、個別で営業をかけてきたり、性風俗をあっせんしてきたりはしないなど、3次元に比べ安全性に優れている。

ちなみにこの「安全」の中には、こっちが推しをストーカーしたり、刺したりできないという相手の安全も含まれている。
(カレー沢薫)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください