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ファン感嘆の逆転劇 藤井王将が金の大遠征実らせ永瀬九段相手に白星スタート ALSOK杯第74期王将戦第1局

マイナビニュース / 2025年1月14日 11時30分

画像提供:マイナビニュース

藤井聡太王将に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催)は1月12日(日)・13日(月)に静岡県掛川市の「掛川城 二の丸茶室」で開幕。対局の結果、相掛かりから劣勢の中盤戦をひっくり返した藤井王将が112手で勝利。防衛に向け好スタートを切りました。
○いきなりの研究披露

振り駒が行われた開幕局、先手番を得た永瀬九段がいきなり工夫を披露します。相掛かりに進んだ序盤戦でいきなり端歩を突っかけたのがいかにも研究といわんばかりのジャブ。手順にしたがって敵陣にと金の種をまいて主導権を握りました。藤井王将としても相手のレールに乗せられてしまうと一直線なだけに慎重に考慮。中盤の入口にして長考合戦の様相です。

端での折衝が一段落した局面は駒の損得こそないものの、後手の藤井王将は守りの要の金がそっぽに追いやられており辛抱が続く展開。戦いが2日目に入ったころ、永瀬九段が選んだのは左右の桂馬を跳ねだしていくシンプルかつ強力で爽快な攻め。局後に藤井王将も「そんな爽やかな順があるんですね」と漏らすほどの筋に明るい手順です。続けて、そこで入手した金を敵陣深くにベタっと打って飛車を捕獲したのが俗手の好手で、攻めが切れる心配がなくなりました。
○敗因不明の逆転劇

永瀬九段がリードを拡大するかに思われた終盤戦に分岐点が待っていました。藤井王将が自陣に歩を打って辛抱したとき、永瀬九段が馬を引いて戦いの長期化に付き合ったのが局面の混迷を招いた構想。先手がわずかに駒得とはいえ持ち駒の数では後手が優っており、持久戦になると後手に楽しみが多いというのが永瀬九段の不運でした。実戦はここから藤井王将の独擅場に。

長い辛抱を実らせた藤井王将の指し手は攻守に冴えわたります。手厚い二枚の金で先手の大駒をシャットアウトしたのち、敵玉めがけて遠見の自陣角を打ったのが鋭い決め手。いつのまにか藤井玉は寄りつきがなく、一方の永瀬玉は一手一手の寄り形となっています。終局時刻は19時5分、最後は攻防ともに見込みなしと認めた永瀬九段が投了。
○左金が主役の一局

一局を振り返ると永瀬九段が渾身の研究でリードを奪うも、決め手を与えず追走した藤井王将が終盤の一瞬の切れ味で抜き去った格好に。序盤でへき地に追いやられた金が一局の掉尾を飾る決め手として中央に働く終局図にファンも「あの金が!」「遠征してここまで戻ってきたのか」「鮮やか、強すぎる…」と感動と驚嘆を見せました。

敗れた永瀬九段は局後「(対局中に誤算があったかどうかは)わからなかった、次局に向けて精一杯準備したい」との感想、一方後手番ブレイクで好スタートを切った藤井王将は「序盤の細かなところに課題が残った」と謙虚に振り返りました。藤井王将の先手番で迎える第2局は1月25日(土)・26日(日)に京都市伏見区の「伏見稲荷大社」で行われます。

水留啓(将棋情報局)
(将棋情報局)

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