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系外惑星の大気中の白いもやはダイヤモンド? - 国立天文台が発表

マイナビニュース / 2025年1月16日 11時48分

ところが、近年のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による大気観測では、複数の系外惑星でヘイズが白い物質で構成されている可能性が示唆されており、従来説に対する疑問が投げかけられていた。そこで大野特任助教は今回、ヘイズの構成物質組成の進化を考慮した新たなヘイズ形成の理論モデルを考案し、系外惑星のヘイズがどのような物質で構成されているのかを調べたという。

その結果、これまで予想されていたススのような物質は、高温の系外惑星の大気では析出せず、代わりにダイヤモンドが形成される可能性があることが示されたとのこと。これは、系外惑星の高温で水素に富んだ大気が、工学分野で広く用いられる人工ダイヤモンドを合成する化学気相成長法(CVD法)と類似の環境であることに起因しているという。CVD法は700~1200℃の温度と、最大でも1気圧程度の低圧環境において、炭素を含むガスを基板上に堆積させることでダイヤモンド膜を成長させる技術だ。

2017年に米国のSLAC国立加速器研究所は、実験結果として、天王星や海王星において、大気を下った高温高圧環境になる深度では、炭化水素が分解されて炭素が析出し、ダイヤモンドが形成される可能性があることを発表している。大野特任助教は今後、系外惑星の大気観測や、系外惑星大気を模擬した室内実験でダイヤモンド合成が実際に起きるのかどうかを検証することで、系外惑星のヘイズの正体に迫ることが期待されるとしている。
(波留久泉)



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