吹き荒れる「服部旋風」! 服部六段が絶対王者藤井名人・竜王粉砕で四強に名乗り 第18回朝日杯将棋オープン戦本戦
マイナビニュース / 2025年1月20日 11時30分
第18回朝日杯将棋オープン戦(主催:朝日新聞社・日本将棋連盟)は、本戦トーナメント1・2回戦の計6局が1月18日(土)・19日(日)に愛知県名古屋市の「ポートメッセなごや」で行われました。このうち、藤井聡太名人・竜王と服部慎一郎六段の間で争われた2回戦は119手で服部六段が勝利。年度勝率9割に迫る新鋭が難敵を降しベスト4進出を決めています。
○ファン注目の初手合い
「将棋界の絶対王者 VS 白星街道まっしぐらの新鋭」という注目の構図となった初手合い、振り駒で先手番を得た服部六段が工夫を打ち出します。矢倉に進んだ中盤戦で盤上中央に銀を打ち込んだのが類例に別れを告げるマイナーチェンジ。7筋の桂頭攻めに期待する狙いで、これを見た藤井名人・竜王は思わず連続長考。早くも一分将棋に追い込まれました。
もたれ戦術に出た藤井名人・竜王を尻目に服部六段が好手を連発します。歩の成り捨てで始まった流れるような手順で後手の桂を奪ったのがその始まりで、直後に控える自陣桂が見えづらい継続手。瞬間的に銀損でも玉の安全度の差に物を言わせて有利というのが優れた大局観ではっきりリードを奪いました。対する後手は持ち駒を使う暇がありません。
○「まさか勝てるとは…」
素直に指しては苦しいと見た藤井名人・竜王は自陣の金取りを手抜く驚きの勝負手を繰り出しますが、服部六段はあくまで冷静でした。王手の連続で寄せの基本形を築いておいて、一転して自玉に手を戻したのが逆転の目を摘み取る冷静な決め手。攻め合いにさえ応じなければ豊富な持ち駒を生かしてゆっくり攻める手が間に合います。
終局時刻は16時2分(対局開始14時0分)、最後は攻防ともに見込みなしと認めた藤井名人・竜王が投了。感想戦で藤井名人・竜王は「曲線的に指さないといけなかった」と反省、局後のインタビューで服部六段は「まさか勝てるとは思っていなかった」と喜びを語りました。なお別の山では佐々木勇気八段が永瀬拓矢九段を下しベスト4進出を決めています。
水留啓(将棋情報局)
(将棋情報局)
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