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『さんタク』を生んだ『空から降る一億の星』“令和では決して見られない”ドラマ史に残る衝撃の結末とは

マイナビニュース / 2025年1月22日 11時0分

ただ、なかなか幸せなシーンを描かないのはいかにも北川の脚本らしく、最後には意外なカップルが誕生したような描写もあるなど、現在の恋愛ドラマにはない意外性も楽しみの一つだろう。

主題歌のエルヴィス・コステロ「スマイル」は静かに物語の余韻を深め、挿入歌の坂本九「見上げてごらん夜の星を」は登場人物への感情移入を加速させるスイッチになっていた。

●炎上と紙一重の衝撃的な最終話
この作品を語る上で避けて通れないのは、視聴者を騒然とさせた最終話のストーリー。未見の人は衝撃を体感してほしいため多くは書かないが、SNSの発達した現在では「こんな結末を見たくなかった」「時間を返して」などの批判が殺到しかねないほどショッキングなものだった。

しかし、ショッキングな結末だからこそ“濃密な愛憎劇”という作品ジャンルが際立ち、ドラマ史に残る結末として23年が経った今でも話題にあがる作品になったのは確かだ。批判を恐れず作り手たちが思い切った脚本・演出を手がけやすかった当時のドラマシーンならではの結末であり、特に現在では希少価値の高さを感じさせられる。

当時、木村拓哉は『ラブジェネレーション』(フジ)、『ビューティフルライフ』(TBS)、『HERO』などで主演を務め、その後も『GOOD RUCK!!』(TBS)、『プライド』『エンジン』(フジ)などの職業ヒーロー路線が続いていた。

そんな中で珍しい暗く重い世界観は中江功監督が手がけたものであり、2人のコンビは『ギフト』『眠れる森』に続く3作目。中江は木村の新たな魅力を引き出し、その世界観は2020年代の『教場』シリーズにつながっていった。ファンはさておき、ドラマフリークが木村の作品で支持しているのは中江が手がけた4作という人が多いだけに、これらの作品を順番に一気見してみるのも面白いかもしれない。

日本では地上波だけで季節ごとに約40作、衛星波や配信を含めると年間200作前後のドラマが制作されている。それだけに「あまり見られていないけど面白い」という作品は多い。また、動画配信サービスの発達で増え続けるアーカイブを見るハードルは下がっている。「令和の今ならこんな見方ができる」「現在の季節や世相にフィットする」というおすすめの過去作をドラマ解説者・木村隆志が随時紹介していく。

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら
(木村隆志)



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