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蛍の光、月を照らせ - 米企業ファイアフライの「ブルー・ゴースト」、月面着陸への挑戦

マイナビニュース / 2025年1月23日 20時54分

なお、打ち上げには日本のispaceの「HAKUTO-R ミッション2」が相乗りしていた。両者は異なる軌道を飛び、ミッションや着陸地点も異なる。

ブルー・ゴーストはロケットからの分離後、まず地球周回軌道を回り、25日間にわたって機器の試験などを行いながら、徐々に軌道高度を上げていく。

その後、2月10日ごろに地球周回軌道から脱出し、月へ向かう遷移軌道に乗る。4日かけて月に接近し、月の周回軌道に入る。その後、16日間にわたって機器の調整や校正などを行い、月面着陸に向けた準備を整える。

そして、早ければ3月2日にも月面着陸に挑む。降下と着陸には、同社が開発した「De Souza」という自律航行システムが用い、完全に自動で行う。

着陸場所は、月の表側の北東部にある「危難の海(Mare Crisium)」の、「ラトレイユ山(Mons Latreille)」付近に設定されている。

この地域は、初期の火山噴火によって形成され、30億年以上前に玄武岩質の溶岩で覆われたと考えられている。地形が比較的平坦で、ブルー・ゴーストにとって初の月面着陸ミッションにおいて安全性が高いと評価されたこと、また、月のレゴリスや内部、太陽風と地球磁場の相互作用を研究するのに適しており、科学的成果が期待できることから着陸場所に選ばれた。

ちなみに危難の海は、1976年にソビエト連邦(当時)の月探査機「ルナ24」が着陸し、月の石のサンプルリターンを行っている。

ブルー・ゴーストの月面でのミッション期間は、最長14日間と想定されている。これは前述のように、越夜機能がないためである。ただ、夜になってからも数時間はバッテリーで稼働できる。また、日本の小型月着陸実証機(SLIM)のように、電子機器などが極低温環境に耐えられれば、数回の越夜に成功する可能性もある。

M1はまた、NASAや民間企業などが提供した10の機器を月面に運び、実験を行うミッションも帯びている。これは、NASAの商業月面ペイロード・サービシズ(CLPS)イニシアティブを通じて、NASAと商業的な契約を結んだうえで行われる。

LISTER:月の地下の温度勾配と伝導率を測定し、月内部からの熱流を調べる
LPV:ガスによる月のレゴリスの採取やふるい分け、除去の技術を実証する装置
NGLR:地球からのレーザー光を反射させ、距離を測定する反射鏡。従来の反射鏡より精度を高め、サブミリメートル範囲の測定を可能にする
RAC:月のレゴリスが、月の一日を通して月の環境にさらされるさまざまな物質に、どの程度付着するかを調べる
RadPC:電離放射線によって引き起こされる障害から回復可能なコンピューターを実証する
EDS:電界を使用した、月面ダストの除去や、付着防止の技術を試験する
LEXI:X線観測装置で、太陽風と地球の磁場の相互作用を研究する
LMS:月の電場と磁場を測定し、月のマントルの構造と組成を調べる
LuGRE:地球から月への飛行中や月面において、GPSやガリレオ測位衛星による航法や時刻同期が可能かどうかを試験する
SCALPSS:着陸機が月面に降り立つ際のロケットの噴煙が、月面のレゴリスに与える影響を撮影し、その影響の度合いを調べる

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