『日本一の最低男』は“美しい奇跡”が積み重なる物語…今後のキーポイントになる第4話

さらなる支持者集めのために「子ども食堂」を画策し、そこへ都(冨永愛)を不純な動機で巻き込んでしまうといういつも通りの“最低”な導入部なのだが、前回から続くめいっ子・ひまり(増田梨沙)の不登校問題と“新たな悩み”、揺れ動くキャラクターが多い今作で不動の“拠り所”だと思われていた都の内なる葛藤、そして一平の妹・陽菜(向里祐香)の知られざる闘病生活の過去……それら全てが“美しい奇跡”へと導いていく。

これまで以上に繊細なテーマを描写しながら、終盤の展開はとてつもなくドラマティックで、煽情的な演出ではないはずなのに自然と涙が止まらない。作劇的にも非常に“美しい”物語に仕上がっている第4話は特に、今後のキーポイントとなる回と言っていいだろう。

「テレビ視聴しつ」室長･大石庸平 おおいしようへい テレビの“視聴質”を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(株式会社eight)の室長。雑誌やウェブなどにコラムを展開している。特にテレビドラマの脚本家や監督、音楽など、制作スタッフに着目したレポートを執筆しており、独自のマニアックな視点で、スタッフへのインタビューも行っている。 この著者の記事一覧はこちら
（「テレビ視聴しつ」室長･大石庸平）