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窓辺の小石 第201回 The Only Neat Thing to Do

マイナビニュース / 2025年1月31日 15時45分

0. 3Dプリンタを購入して設置する
1. 形状定義に必要なパラメーターを測定などで得る
2. 3D CADソフトで形状を定義する
3. 完成した形状をSTLなどの共通フォーマットでエクスポート
4. 3Dプリンタの制御ソフト(スライサー。写真05)でインポート
5. 制御ソフトのパラメーター設定(基本的はデフォルトでOK)
6. 3Dプリンタでの造形(写真06)

となる。

購入した3Dプリンタは、Bambu LabのA1 miniという機種。知り合いに聞いたところ、評判が良かったので、これを選んだ。少なくとも、キートップ作成という作業では特に問題は生じていない。使い始めるのに難しいことはないが、プリントを開始する前にフィラメントのロードを行っておく必要がある。常識なのかもしれないが、手順としてドキュメントなどに記載がなかった。フィラメントを押し込みながら、プリンタ本体の液晶パネルにある「フィラメント」から「ロード」を選択して、フィラメントのロードを行わせる。ちゃんとフィラメントが出てくればOKである。

キートップを作るので、実物をノギスなどで測定して必要な寸法を出す。これは、ドローソフト(Libre OfficeのDraw)にキートップの写真を貼り付け、寸法線を入れて記録した(写真07)。

3D CADソフトは、いくつかあるが、3Dプリンタを利用している知人の意見を聞き、AutodeskのFusion(写真08。旧Fusion 365)を選択した。制限はあるものの、個人利用の場合には、無料で利用できる。今回、キートップの作成に使った範囲では、制限が問題になることはなかった。

ただ、始めて使うアプリケーションなので、慣れるまでに半日ぐらいかかり、最初の造形にたどり着くまでほぼ2日を使った。その後、微調整などを行うベストな方法を見いだすのにさらに1日、3日後には、パラメーターを変更しつつ、複数の造形を行うことができた。

数値で設計するとはいえ、「実物合わせ」的なところもある。東プレの静電容量キーボードのキートップは、背面にピンが出ている。このピンは円柱を2つに割った形状をしているのだが、その角度をキートップ裏から見て、垂直にしたが、実際に装着してみるとなぜか真っ直ぐにならない。このため、-2度角度を付けることになった。次回は、このあたりを含め、3D CADアプリ(Fusion)を概観したい。

今回のタイトルネタは、ジェイムズ・ティプトリー・Jr.の「The Only Neat Things to Do」(邦題 たったひとつの冴えたやりかた)である。この作品米国でも評価は低くない(1986年にローカス賞を受賞している)が、日本の方が人気が高いのは、そのストーリーゆえか。
(塩田紳二)



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