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「隠し扉」でつかんだ勝利 藤本五段が2位キープで連続昇級に王手 第83期順位戦C級1組9回戦

マイナビニュース / 2025年2月5日 11時30分

画像提供:マイナビニュース

第83期順位戦C級1組(主催:朝日新聞社・毎日新聞社・日本将棋連盟)は、9回戦全17局の一斉対局が各地の対局場で行われました。このうち関西将棋会館で行われた古森悠太五段―藤本渚五段の一戦は124手で藤本五段が勝利。1敗のまま単独2位の座をキープし、2期連続となる昇級に大きく前進しました。
○残る枠は2つ

34人が3つの昇級枠を懸けて争うC級1組。8連勝で昇級を確定させた斎藤明日斗六段に続けとばかりに1敗の藤本五段、2敗の5人がひしめき合って混戦となっています。後手番で迎えた本局で藤本五段は対三間飛車に得意の急戦策を披露。昨年戦われた両者の初手合いと類似の戦型ながら、先後逆という悪条件に藤本五段がどう立ち向かうかが注目されます。

向かい飛車に構えて待った古森五段に対し、藤本五段は強引に仕掛けをひねり出します。右四間飛車に振り直して6筋から動いたのが直前1時間の長考で練り上げた積極策。角のにらみを主軸として先手陣の浮き駒の多さにつけこんで指しやすさを手にしました。とはいえ戦いの中で古森五段も競り合いの強さを発揮し、局面は終盤戦に突入します。

○終盤で見せた秘手

互いに譲らず形勢互角のまま迎えた最終盤にドラマが待っていました。藤本五段が桂を成って2手スキで迫ったのに対し、香捨ての王手で後手玉への寄せに出たのが結果的に古森五段の敗着に。代えては受けに回って結論を先延ばしにするのが正着で、形勢不明のねじり合いが予想されました。古森五段としては先に一分将棋に入っていたことが災いした形です。

一手受け間違えれば奈落の底という状況でも藤本五段は冷静でした。香捨てに対し桂で取り、空いたスペースから玉を逃げ込ませたのが好手順。こうなると舟囲いの隠し扉が開いた格好で後手玉にはどうしても詰めろが続きません。終局時刻は23時29分、最後は敵玉への詰みなしを認めた古森五段が投了。藤本五段の終盤の判断力が光る一局となりました。

勝った藤本五段は8勝1敗と単独2位をキープ。残り2つの昇級枠を9人で争うC級1組最終局は3月4日(火)に行われます。

水留啓(将棋情報局)
(将棋情報局)

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