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バラ積み部品を容易にピッキングできるロボット、阪大スタートアップのThinkerが発売

マイナビニュース / 2025年2月5日 16時32分

また、独自のエッジAIによって、高い専門知識がなくても導入および運用ができるのが特徴だ。ティーチング時間や労力を大幅に軽減でき、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用が可能になる。

さらに、Thinkerの近接覚センサーは、カメラを用いることなく、赤外線とAIを組み合わせた独自の技術となっており、高分解能なセンシングによって、モノの位置と形を非接触で、高速に把握することができる。これにより、従来の産業用ロボットでは難しかった鏡面や透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となる。

「レンズのように、透明で、傷がつきやすく、壊れやすいモノも取り扱いができる。吸着方式ではないため、レンズに汚れが付くということもない。レンズの取り扱いにはスキルが必要だったが、ベテランでなくても作業が行うことができ、搬送、検査、品質判定、分別といった作業が、ロボットだけで完結でき、作業効率が高まる。掴むモノを、壊すリスクが少ない」(中野CTO)とした。

レンズのほかに、焼結前の粉体の部品といったように、傷つきやすく、崩れやすいモノ、ワイヤーハーネスや不織布フィルターなどの素材が柔らかく、一度持つと変形してしまい、もとに戻らない部品、切削部品や射出成型部品などが無造作に置かれている状態、卵パックのように穴の部分に部品が配置されていたり、ステンレスのトレイに置かれているなど、容器が変形したり、部品位置がずれるやすいといった場合にも対応が可能だ。

「人の作業では気にならなかったような部品が置かれたトレイのたわみであっても、ロボットの作業では取り損ねる要因になる。Thinker Model Aではこの点を解決している。また、脆い焼結前部品のピッキングでは、やさしく触れながら掴みにいくことで、破損を防ぐことができる。さらに、製造現場では部品が箱に入って納入され、それを検査したり、研磨機にかけたり、工作機械にかけたりするために治具にセットする作業が煩雑化しているが、これを人力からロボットによる自動化にシフトできる」とした。

Thikerでは、近接覚センサーの量産サンプルの出荷を、2023年8月から開始しており、これまでに1200社以上から引き合いがある。すでに数社で量産工程における導入を開始。80社を超えるパートナー企業と実証評価に取り組んでいる。これらの成果も、Thinker Model Aの製品化に生かされている。

Thinker Model Aの価格はオープンだが、ロボットを含めたパッケージ価格は600~1200万円を想定している(有料保守サービスも別途用意している)。直販およびパートナーを通じた販売を行い、2027年度には、年間10億円の事業規模を計画している。
(大河原克行)



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