北大など、小惑星ベンヌの試料からDNAやRNAの5種類の核酸塩基などを確認
マイナビニュース / 2025年2月5日 19時32分
それに加え、塩酸抽出液からはDNAやRNAに含まれる5種の核酸塩基すべて(アデニン、チミン(DNAのみ)、ウラシル(RNAのみ)、グアニン、シトシン)が検出されたという。これまで、炭素質隕石から検出された例はあったが、ウラシルを除き、小惑星リターンサンプルから検出されたのは今回が初めてである。
さらに、アミノ酸など有機化合物合成時の窒素供給源として非常に重要なアンモニアは、これまでに分析された地球外物質と比べても極端に濃度が高いことが突き止められた。こうした窒素が豊富なベンヌ試料の組成は、硫黄が豊富な小惑星リュウグウの試料とは対照的である。なおアンモニアは揮発性が高く、低温環境でなければ安定に存在できないため、高濃度のアンモニアの存在は、ベンヌ母天体での有機化合物合成は低温でのアンモニア水中反応が支配的だったことを示すとする。
地球上での生命の起源を調べるには、生命誕生前の地球上にどのような「生命の材料」がどれくらい存在していたのかを理解することが重要である。その理解には、重要な材料供給源の1つと考えられる、ベンヌのような地球外物質の分析が不可欠だ。今後、ベンヌ試料に含まれる有機化合物の詳細な分析が進むことで、「生命材料の目録」がより解明されることが期待されるという。また、リュウグウに含まれる有機分子群との詳細な比較検証や水質変成による水-鉱物-有機物の相互作用の歴史を含め、アミノ酸や核酸塩基以外の生命の材料候補の発見も強く期待されるとした。
また現在、日本が主導する火星の衛星フォボスからのサンプルリターン計画「MMX」など、大規模な地球外サンプルリターン計画が進行しており、今回の研究で培われた技術や知見が、これらの計画の成功に貢献することが期待されるとしている。
(波留久泉)
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