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幻の妙手、指せなければ即ち… 藤井王将が終盤逆転で永瀬九段降し防衛に王手 ALSOK杯第74期王将戦七番勝負第3局

マイナビニュース / 2025年2月7日 11時30分

画像提供:マイナビニュース

藤井聡太王将に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催)は、藤井王将の2連勝で迎えた第3局が2月5日(水)・6日(木)に東京都立川市の「オーベルジュ ときと」で行われました。対局の結果、苦戦の終盤戦をひっくり返した藤井王将が134手で勝利。開幕3連勝として防衛に大きく前進しました。
○両者研究の右玉勝負

ここまでの2局は相掛かりと横歩取りの研究で藤井王将を苦しめながらも終盤の競り合いに涙をのんだ永瀬九段。先手番で迎えた本局は王道の角換わり腰掛け銀に望みを託します。対する藤井王将が選んだのは右玉の作戦。力戦策と思われがちながら近年は研究の波が押し寄せており、直近に指された永瀬九段の実戦などをベースに両者指し手を進めます。

1日目午前にして60手を数えた盤上は午後から長考合戦に突入。永瀬九段が手持ちの角を、藤井王将が自陣の馬を主張して互角のねじり合いが続きます。2日目に入ってから局面の主導権を掴んだのは藤井王将でしたが、指しやすさを手にしたのは永瀬九段のほうでした。手に乗って飛車がさばけたのは小さくない収穫で、豊富な持ち駒での反撃が見えてきます。

○またしても終盤の魔物

「すこし指せていてもおかしくない」(局後の感想)と手ごたえを感じた永瀬九段ですが、終盤の入り口に魔物が待ち受けていました。桂で銀を取って駒得を重ねたのが自然なようで問題の一手。代えては遊び駒となっている銀のタダ捨てから敵陣を崩すのが両対局者の軽視した絶妙手で、感想戦でこれを知った永瀬九段は「(正解は)ひと通りでしたか…。」と絶句することに。

九死に一生を得た藤井王将はここから冷静な指し回しで逆転に成功します。強く歩を成って玉の空中浮遊を目指したのが読み切りの一手。先手の竜の利きを止めれば自玉が寄らないという見切りが光りました。終局時刻は19時3分、最後は攻防ともに見込みなしと認めた永瀬九段が投了。藤井王将は第1局に続く逆転劇でスコアを3勝0敗としました。

一局を振り返ると好調な攻めでリードを築いた永瀬九段に対し、絶えず難しい選択を迫り続けた藤井王将の勝負術と読み切りの受けが光る格好に。敗れた永瀬九段は「終盤でちぎれてしまったのと経験値が足りない部分があった」と悔しさをにじませました。注目の第4局は2月15日(土)・16日(日)に大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われます。

水留啓(将棋情報局)
(将棋情報局)

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