結末のない映画特集:「作品の根本となる価値観は愛と思いやり。それは私たちが人生を考え直す際に強固な基盤となるものです」『マロナの幻想的な物語り』Anca Damian監督インタビュー /Interview with Director Anca Damian about “Marona’s Fantastic Story”

NeoL / 2020年8月21日 17時0分

結末のない映画特集:「作品の根本となる価値観は愛と思いやり。それは私たちが人生を考え直す際に強固な基盤となるものです」『マロナの幻想的な物語り』Anca Damian監督インタビュー /Interview with Director Anca Damian about “Marona’s Fantastic Story”



『マロナの幻想的な物語り』は亡くなったばかりの犬が自分の人生を振り返るシーンからスタートする。色も線も独創的なアニメーションによって描かれる犬の視点から見た人々との人生。その視点を借りることで、より明瞭に人間のあり方や幸せについて考えさせられる名作だ。冒険の作品でもあり、愛の作品でもあり、どう生きるかという問いかけをくれる作品でもある本作について、ルーマニアのAnca Damian監督にメールインタビューを試みた。
(→ in English)



ーー本作では死後の状態から主人公が自分のストーリーを語りますが、以前の作品『CRULIC - THE PATH TO BEYOND』でも同様の手法を取られていました。このような手法を取るのはなぜでしょうか。


Anca Damian「おっしゃるように『CRULIC - THE PATH TO BEYOND』でも使用した構造を本作でも倣いました。最初の5分で観客の関心をひくことができるかというのが映画制作における一番難しい点です。地球上の生命体は限られているし、その1秒ごとの時間が貴重であることを知っている映画なら、冒頭で一気に惹きつけるでしょうね。そういう理由でこのシーケンスで脚本を書き始めました」


ーー『CRULIC - THE PATH TO BEYOND』『Magic Mountain』はアニメーションで作られたドキュメンタリーであり非常に社会的な内容でしたが、本作は体験を基にしながらもフィクションです。ライティングや制作にどのような違いがありましたか。


Anca Damian「逝去した実在の人物たちであり、死によって照らされる人生を描いた前2作は同じヴァイブスを持っています。実際の彼らの思い出を傷つけることがないように誠実に作りましたが、現実ではなく、人生の意味に軸を置きました。本作もまた現実からインスピレーションを受けていて、人生に根ざした中で何をやるかというヴィジョンは同じです。しかし私は前作たちよりもっとパーソナルな事柄で遊ぶことができました。マロナの世界は私の世界でもあるので、より自由に作ることができたんです」












ーー本作はご自身の体験がインスピレーションとなっているそうですが、その体験について、またインスピレーションをどのように長編作品にしていったかという過程を教えてください。


Anca Damian「ある日、散歩をしていると野良犬がついてきました。その犬は何かとてもピュアなものを持っていて、私はそのまま置き去りにすることができませんでした。そこで里親を見つけることにしたのですが、預かってくれる家族がその犬の存在によって関係に影響が出て、家族内の力学が変わっていきました。その体験から、犬を通して、人々が互いにどのように関係しているかという物語を語ることができると気づいたのです。その犬はルーマニア語で“茶色”を意味するマロナという名前が付けられました。私たちは映画で犬の見た目を変えることにしましたが、マロナへのトリビュートとして同じ名前をつけることにしました」


ーー制作の過程で絶対にぶらさない“軸”として、何を大切にしましたか。


Anca Damian「仏教の知恵では“今、ここ”というものがありますよね。未来や過去を考えずに今を生きるのは簡単なように思えますが、人間のこれまでのあり方を見ても実はそのように生きることは非常に難しい。でも、犬は毎日“今、ここ”の状態で生きています。だから私にとって犬は師であり、どうあるべきか教えてくれる存在なのです」



ーー脚本はあなたの息子であるAnghelが手がけたそうですね。二人の共通認識を持つためにどのような話し合いを持ちましたか。


Anca Damian「マロナからインスピレーションを受けた物語のアイデアはあったのですが、私は別のプロジェクトに取り組んでいたので脚本を書く時間がなかったのです。それで息子がこの冒険に加わってくれました。物語の構造やエピソード、実際に関わった人たちの話をしましたが、もちろん彼は自分のイマジネーションからも出来事を加えていきました。素晴らしいコラボレーションでしたし、彼が初めて書いた脚本だったのでとても嬉しかったです。彼は私自身のことをよく知っているのはもちろん、私が物語に何を望んでいるかを理解している完璧なコラボレーターでした。制作に入る前に脚本を編集し、いくつかのシーンをカットしたり動かしたりしましたが、私がやったのはそれだけです。私の映画に対するヴィジョンと彼の脚本家としてのクリエイティヴなプロセスとが芸術的共生を果たした作品です」












ーー本作では見返りを求めない愛や自由についても描かれています。能動的に行うぶんには良いのですが、他動的に自己犠牲を強いることは自由を侵害することにもなります。そのバランスについてはどう考え、反映させていますか。


Anca Damian「私は自分に正直であるべきだと思います。人生は愛のレッスンであり、それぞれの人生はその人独自のもので、その人なりの愛の歌があります。他の人にどれだけの量を与えるか、限界はどこかというのはその人自身が決めることです」


ーーどう生きるか、何が大切かについても考えさせられる映画です。あなたにとっての幸せとは?


Anca Damian「もちろん映画はエンタテインメントですが、私にとってアートはメッセージを伝え、世界を変えることを目指すべきもの。世界中に語られるべきトピックはたくさんあります。マロナは幸せについて語ります。私たちが追求している幸せとは何ですしょう? この映画は死が出発点ですが、人生についての物語になっています。私たちが生きている間に学ぶべき主なレッスンは愛について。愛がただ一つの大切なことであると理解するために人は生まれたのだと思います」


ーー技術面についても聞かせてください。前2作に比べ、使用されている色が明るく、一見平和でありながらもより独創的な構図となっています。飛び出す絵本のように刺激的でした。今作で新たにチャレンジしたことは?


Anca Damian「課題としては、クリエイティブでユニークな方法でヴィジュアルにコンセプトを反映させることでした。本作では3人のアーティストと一緒に仕事をしました。Brecht Evensは、プロジェクトのキャラクターデザイナーおよびビジュアルコンサルタント。彼は現実に立脚しながらも、壮大で有意義なやり方でそれらを分解した色と形を使用するユニークなスタイルを持っています。Gina ThorstenesenとSarah Mazzettiも素晴らしいアーティストであり、相補性をわかった上で仕事を共有することを楽しみました。


(マロナが一人になってから最初の飼い主である)マノーレの家とその周辺は、子ども達の夢から触発されたり、“Where Anyhing can happen(なんでも起こり得るところ)”という詩からのイメージだったりという、完全に主観で作られた空間です。物語の主観性と感情は、形を必要最低限​​に減らした世界の描きかたに繋がります。この世界では線遠近法が主観的な遠近法に置き換えられていて、形は内側を反射するものになっています。シーンの重要な要素を強調するのはドローイング。色はピュアで、色彩のコントラストが非常にはっきりしています。映画の中の空間は、線遠近法のルールに従っていません。例えば、都市は1枚の同じイメージ内でいくつかの視点に従った描き方がされています。いくつかの視点が重なり合って物語の中の空間を構成しているんです。


次の飼い主となるイシュトヴァンのセクションでは建設中の家が出てきますが、それは彼らの間で関係が築かれていっていることを反映しています。最初は青い線が見え、次にレゴのように家が現れます。しかし、イシュトヴァンのアパートは、私たちが自分の場所を見つけることができず、理解されていないとき、つまり思春期を過ごした場所のように非常に制約が多い。マノーレの家ではすべてが可能でしたが、イストヴァンの家には夢を見る場所はありません。とても窮屈で、空間は平坦で抜け道はなく、すべてが決められている。この空間は彼の妻であるマダリナの空間であり、彼女自身の最も深い部分にあるものを表現しています。

マノーレとイシュトヴァンのフラットの間には、(最後の飼い主となる)ソランジュのフラットがあります。そこでのルールは『物事をありのままに受け止める』こと。各キャラクターが自分のスペースを持っていて、それぞれに自分の個性に基づいた小さな島にいるよう。ソランジュがバスに乗って町にでるとき、町と建物は本物のポップアップの絵本のようにデザインされています。そのバスを追う時に記憶の4次元に入っていくようにしたくて、アナモフィックな効果(錯視効果を利用し、平面を立体に、あるいは立体を平面に見えるようにする技法)をもたせるために、3Dアニメーターと話し合って都市の地図を練り上げ、物理的にも他の空間、時間に入るように感じさせました。Gina Thorstensen は都市をどう構築するかアニメーターと密接に連絡を取り合っていましたね」












ーー前作ではアフガニスタンに2週間滞在するなど、現実のリサーチも重要視されているそうですね。今回はシルク・ドゥ・ソレイユに行ってアクロバットな体の動きを観察されたとか。他にどのようなリサーチをされましたか。また、現実からアニメーションに変換する際に使用するあなだだけの“マジック”があれば教えてください。


Anca Damian「私は常に犬の動きに関しての映像やPinterestの画像など何から何まで、アニメーターとリファレンスを共有していました。また、人生はインスピレーションの大きな源でもあり、私が“本当の意味”で生きていて得る感情や印象などもエネルギーを与えてくれます。“マジック”についてですが、アニメーションを使用すると、姿かたちだけでなく、現実の意味を改めて確認できます。すべての技術はあなたに自由を与えてくれるものであり、唯一の制限は物語のニーズに沿っているかどうかだけ。ストーリーテリングの受け手はアニメーションを介してさらに多くのレイヤードされた情報を受け取り、ヴィジュアルを通じて深いメタフィジカルなレベルでの理解ができるのです」


ーー今回、マロナを女性にした理由は?


Anca Damian「マロナの物語をディレクターズ・ノートに書いていたとき、この映画は一種の“少女と世界”の物語であると記しました。Alé Abreuの作品では少年が父親を探すことから世界を知るようになりました。マロナは彼女の感情を通じて世界を知っています。ハートのチャクラ(鼻)というフェミニンなものを通しての世界をね」












ーー監督自身についてもお聞かせください。美術を専攻したのちにアニメーションへ進まれています。シュールレアリスム的な手法など、美術の素養からアニメーションに反映されているとご自身が思うものはどのようなものがありますか。


Anca Damian「アニメーションによって私は自分の心と潜在意識から物語を作るための完璧な自由を得ることができます。アニメーションはストーリーテリングの構造を再考するための技術ですが、私は映画のツールとして使っています。姿かたちといういわゆる“リアリズム”は、実際には常に変化しているエネルギーのフレームにすぎず、そのエネルギーを捉えたシュールレアリスムこそが現実に近いと私は確信しています。アニメーションもイメージなので、エネルギーを可視化できるという点は同じです」


ーーMichel Ocelotや宮崎駿もまたアニメーションの作品に深い題材を託している作家たちです。あなたが好きなアニメーションの作家/監督や影響を受けた作品などはありますか。


Anca Damian「私は常に他のアニメーターや映画監督に刺激を受けていますし、アートは刺激的で普遍的で、他にもたくさんの“師”がいます。何人かの名前を挙げることができますが、それよりも、時間的にも空間的にも境界のないアートコミュニティによって私たちは一人じゃないと思えたり、すべてが繋がっていると思えることが大事なんだと思います」


ーー黒澤明監督作品が好きだそうですが、彼の作品からどのようなことを得ましたか。


Anca Damian「巨匠である黒澤明監督からは多くを学びました。最も重要な教訓は、レイヤーを重ねて構築し、すべての観客が何かを得ることができるようにするということ。『七人の侍』は活劇と見なすことができ、そうやって観てもいいけれど、実際にはイニシエーションや悟り、真のレベルまで到達するための備えについて描かれている。まさに様々な見方ができ、それぞれにみんなが何かしらを得ることができるというものです」


ーーなるほど。ルーマニアにはアニメーションを学ぶ場がないということですが、いずれ学びの場を作りたいと思いますか。


Anca Damian「すでに私のチームと一緒に作っているところですよ」


ーールーマニアでは唯一の女性監督だそうですね。ルーマニアではつい最近まで女性が公共の交通機関を使用するのに男性の許可が必要であったり、料理をしないと離婚されるということがあったりと男性上位の国だとか。そのような中で女性監督としてサバイブするためにどのようなことを心がけているか。また自分が唯一の女性監督ということを強く感じたエピソードがあれば教えてください。


Anca Damian「私は自分の映画を通して、アーティストとして、自身の進化について語ることにしています。自分にとって重要で意味があると思うことに常にエネルギーを注ぎ込んでいれば、何でもできると常に思っています。私はまた母親でもあり、育児にも力を注いでいるため、プロフェッショナルな仕事をするにおいて母性が課題となることもあります。女性の生活を困難にする男性と女性のヒエラルキーと社会の固定観念には慣れることはないですが、私はやりたいことをやります。結局のところ、そうすることが私たちを幸せにする道ですし、痕跡を世界に残すことですから」












ーーCOVID-19によって世界が混乱に陥っています。監督はどのような影響を受けていますか。


Anca Damian「たくさん仕事をしていましたが、今年の映画制作はハードでした(隔離のためにコミュニケーションが困難で、忘れ去られたかのように行政の仕事が遅かった)。様々なことが大きく変化しているので、注意深く過ごし、自分が意味があると思うことに集中していようと思います」


ーー次回作の構想や取り組んでいるもの、ニュースなどがあれば教えてください。


Anca Damian「Anca Damian「 実はすでに『The Island』という次の作品を完成させました。寓話であり、ミュージカルコメディであり、そして今のリアリティに逆行しているロビンソン・クルーソーの物語です」」


ーー最後に、日本での公開を楽しみにしているオーディエンスに向けてメッセージをお願いします。


Anca Damian「日本には偉大なアニメーション作品が多くありますし、オーデェンスも素晴らしいと思います。日本でも私の“犬の物語”が、美しい色彩で感動的で面白い成りの中にある深く哲学的なメッセージをお伝えできることを願っています。
私たちは変容する時代を生きているので、この作品を観るのに今はぴったりなのかもしれません。マロナは、人間の弱さや夢、人生において何が重要か、そして人生が永遠の愛のレッスンであることについて語っています。作品の根本となる価値観、つまり愛と思いやりというものは、私たちが人生を考え直す際に強固な基盤となるものです。『幸福は小さなもの』『人生は愛のレッスン』というのは、人類の再出発にふさわしいんじゃないでしょうか」












text & edit Ryoko Kuwahara



『マロナの幻想的な物語り』
公式HP
8月29日から 渋谷 ユーロスペース 字幕版先行上映
9月11日から 渋谷 ユーロスペースほか字幕版・吹替版上映
ハート型の鼻を持つ小さな犬は、生まれてすぐ彼女の家族から引き離され、曲芸師マノーレの手にわたる。マノーレはこの小さな犬にアナと名付け、アナにとっても、幸せな日々が訪れたかに思えたが……
監督: アンカ・ダミアン 脚本: アンゲル・ダミアン キャラクター・デザイン: ブレヒト・エヴェンス
日本語吹き替え:のん、小野友樹、平川新士ほか
提供: リスキット / マクザ厶 / 太秦 / カルタクリエイティブ
配給: リスキット 後援: ルーマニア大使館 協力: キャトルステラ / Stylab / げんべい商店
(2019年 / ルーマニア・フランス・ベルギー / フランス語 / DCP / 92分)
Twitter: @maronas_fantasy
Facebook: @maronasfantasy
Instagram: @maronas_fantasy









“Marona’s Fantastic Tale” is an excellent film. Distinct visuals were used to depict how the world is seen through the eyes of a dog. It provoked thought about what we are and what happiness means to us. The film is a masterpiece, about adventure, love, and way of life. We got an opportunity to have an interview with Director Anca Damian.


ーーIn both of your films, “CRULIC- THE PATH BEYOND” and “Marona’s fantastic Tale”, the film starts with the protagonist reflecting on their life after death. What is the reason you start the film this way?


Anca Damian:Yes, I started to write both scripts with this sequence. I somehow followed a construction that I also used at “Crulic – The Path To Beyond”. It is in the first five minutes that he toughest part caught the audience, so the sour bite is taken. You look at all the film knowing that each second of the life is precious as the life on earth is limited.


ーー“CRULIC-THE PATH TO BEYOND” and “The Magic Mountain” are both documentaries made by animation. They talk about society. Although this film was inspired by real-life, it has more fictional elements. In doing so, what were the differences in the filmmaking and writing for this film?


Anca Damian:“CRULIC-THE PATH TO BEYOND” is from the same vibe as “The Magic Mountain” – a real character, who is no longer alive and my vision of the life in the light of the death. I tried to be honest to them, not to harm their memory as they were real persons, but while making these films was not centered to the reality, I was centered to the meaning of it. Marona was also inspired by reality, and also the vision of doing it roots in life. But I could play with more personal things, the world of Marona is my world so I could organize the script as the film, with more freedom.












ーー“Marona’s Fantastic Tale" is inspired by your previous experience. Please tell us about the experience and how you transformed it into a feature film.


Anca Damian:One day when I was out walking, a stray dog followed me. This dog had something so pure and I couldn’t stand the idea of leaving it out there on the streets. I tried to find a foster family for it, and every time that dog changed the dynamics within those families, its presence had an impact on the internal relationships. I realized that through this dog I could tell a story about how people relate to each other. It got the name Marona, meaning “brown” in Romanian. We decided to change its looks in the film, but kept the same name, as a tribute.


ーーIn this process of making this film, what was the main point you wanted to communicate?


Anca Damian:The Buddhist wisdom of being in “here and now”, live the present, without thinking at the future or at the past, seems easy but it is so difficult to achieve as a human being; for dogs, is much easier, as they live “in here and now”, every day.For me dogs are teachers, they teach us how to be.




ーーYour son, Anghel Daiman, was the scriptwriter for this film. To reach a common understanding, what discussions did you have?


Anca Damian:The idea of this story is mine: it was inspired by a real dog that I saved in 2014, Marona, who is still alive. As I was working on another project, I didn’t had time to write it, and my son joined me in this adventure: I told him the structure of the story – in episodes, and also the inspirational real persons that were involved in the real story that I lived. Of course, he added things from his imagination, it was a wonderful collaboration and I was very happy as it was the first script he wrote. As he knows me and what I want from stories he was the perfect collaborator in writing; at the end I edited the script before entering in the production, cut or moved some scenes, but that was all. It was the perfect artistic symbiose of the vision I had on the film and the scriptwriter creative process that he did by himself.












ーーThis film looks at freedom and love with no return. On the other hand, being passive about self-sacrifice could hinder one’s freedom. What do you think about that balance?


Anca Damian:I think that we must be true with ourselves: the life is a love lesson and each life is unique, and has its song of love. How much we give others, what is the limit – it is a personal choice, and those who are rich inside are mirroring just love and have a lot to give.


ーーThe film makes us think about how to live and what is important. What is happiness, to you?


Anca Damian:Of course, the film in the first place should be entertaining, but for me art should give a message, should aim to change the world. There are so many topics that we can address. MARONA tells about happiness. What is the happiness we are pursuing all our lives? For this film death is a starting point, but it is a story about life. What is the main lesson we should learn while living is a love lesson; we are born to understand that this is the only thing that matters.












ーーCompared to your previous two films, "Marona’s fantastic story” has a brighter colour tone. At first sight, the imagery seems peaceful, but they are placed in complex compositions just like a pop-up book. What were the new challenges for this film?


Anca Damian:The challenge here was to bring the visuals to mirror the concept, in a creative and unique way. I worked with three artists. Brecht Evens was the character designer and visual consultant on the project. He has this unique style of using the color and shape apparently connected to reality but decomposing it in a magnificent meaningful way. Gina Thorstenesen and Sarah Mazzetti are also brilliant artists and I enjoyed sharing tasks knowing their complementarity in tasks.
Manole's house and his surroundings are governed by totally subjective spaces, inspired by children's dreams, borrowed from poetry where anything can happen. The subjectivity and emotion of the story lead to a world reduced to the bare essentials in terms of form, a world where linear perspective has been replaced with subjective perspective, where form is the reflection of the interior. Drawing will highlight the important elements of the scene. Colours are pure and chromatic contrasts highly pronounced. Space in the film does not follow the rules of linear perspective. The city, for example, follows several points of view within one and the same image: several perspectives meet to organise space in the story.


The house under construction, during the Istvan section, reflects construction of the relationship between them. At first, we see blue lines, and then, like Lego, the house appears. Istvan's apartment, on the contrary, is governed by highly constraining rules, like those that we have to submit to during adolescence, when we can't find our place and don't feel understood. At Manole's everything was possible; here there is no place for dreaming. Highly rigid and geometrical, the space is physically flat, without any way out, and all the elements follow this narrow line. This space is that of his wife, Madalina, a representation of what she is in the deepest part of herself.
Between the Manole and Istvan's flats, lies that of Solange, where the rule of thumb is: ACCEPT THINGS SUCH AS THEY ARE. Here, each character has his or her own space: to each, their own little island, associated with their own personality. When Solange takes a bus and goes around the town, the town and buildings were designed like a real pop-up book. I wanted that while we are entering in the 4th dimension of memories, to have this anamorphic effect, and I discussed with the 3D animators to map the city on the volumes, to feel physically that we enter in other space in time. Gina Thorstensen was here in close contact with the animators in constructing the city.












ーーYou emphasize real-life research. For instance, in your previous film, you stayed in Afghanistan for two weeks. For this film, you visited Cirque du Soleil to look at movements of the acrobats. What are other forms of research you conducted?


Anca Damian:I was always sharing references with animators, from footage with dogs to acting refences from films and images from Pinterest. Life is also a huge source of inspiration. For instance, the emotions and impressions that I live “for real” give me energy.


ーーWhat is your own “magic” when it comes to transforming real-life to animation?


Anca Damian:Animation allows us to see the meaning of reality, not just the appearance. I think all the techniques are meant to give you freedom, and the only limitation s the needs of the story. Through animation the storytelling receives more layers of information, you can decode through visuals deep metaphysical levels.












ーーWhat was the intention behind Marona being a female?


Anca Damian:When I was writing about Marona story in the director’s note of intent that the film is a kind of “The Girls and The World” story. In Alé Abreu's film the boy was searching his father and he started to know the world from this search, but Marona knows the world through her emotion, it is the feminine way of relating through the heart chakra.


ーーYour artistic exploration led you to make animations. How do you think aspects of fine arts, for instance, Surrealism, are reflected in animation?


Anca Damian:The animation gives total freedom to create the story completely from my mind and subconscious. It is a cinematographic tool that I am using despite the rules of the techniques to reinvent the grammar of storytelling. I am convinced that the world is energy. The the appearance, the “realism” how we call it is in fact just a frame of the energy that is shifting all the time so the Surrealism is closer to the world reality. Animation is also image in time, so the energy can be made visible.


ーーSimilar to you Michel Ocelot and Hayao Miyazaki are also using animation as a medium to explore deep subjects. Do you have any films by animators/ film directors that you are influenced by?


Anca Damian:I was always inspired by other animators and film directors, the art is inspiriting and universal, and I had more “Masters”, I can name some but they are different and some films of them were stronger than the others but I think that the feeling that we are not alone, everything is connected come also from the art community with no boundaries of time and space.


ーーWe saw you like films by Akira Kurosawa. What did you learn from his work?


Anca Damian:I learned a lot from the master of cinema Akira Kurosawa; but the most important lesson is to build a film in layers, so all the audience get something. The Seven Samurai can be seen as an adventure film, and there is no problem if people have this reading, but in fact the film is about initiation, enlightenment and those who are prepared with get its true level, but the film is meant to give to everyone something.


ーーThere is little opportunity to learn animation in Romania. Do you plan on creating that space?


Anca Damian:I am already doing it with the teams of my films.


ーーYou are the only female director in Romania. Until recently women could not use public transport facilities without the permission of a man. Likewise, men are allowed to divorce women who don’t cook. There is a prominent hierarchy between male and female. In such an environment, what do you keep in mind to survive as a female director? If you can share an incident when you particularly felt this way.


Anca Damian:I am focused on what I want to say through my films, on my work as an artist, on my own evolution. I always think that we can do anything we think is important and meaningful for us if we put our energy constantly in it. I am also a mother, and motherhood is a challenge for our professional work, because we put also part of energy in raising the child. I got used to not take into account the men-women hierarchy and stereotypes of the society, even if they are obvious, and makes women lives harder, but I do the things I want, as at the end of the day this is what makes us happy and leaves the traces of us in the world.













ーーCOVID-19 has affected various communities around the world. How have you been affected? Is there anything you would like to try once the situation settles?


Anca Damian:I am working a lot, and I had to do it harder during the production of my film this year, (the communication was problematic due to isolation, the administration was slow, like in limbo). I stay attentive and focused on things that I think are meaningful because these times are bringing huge changes.


ーーDo you have any ideas or news you can share for your next film?


Anca Damian:I am already finishing my next film, “The Island”, is a fable, a musical comedy, and an upside-down Robinson Crusoe story in nowadays reality.


ーーBefore your film release in Japan, would you like to say anything to your Japanese audience?


Anca Damian:I think that Japanese audience is a great one, there are so many brilliant Japanese animation films, and I hope that my “dog story” for the family, can unfold in Japan a deep philosophical message in its colored beautiful, touching and funny shape.
We are living transforming times, so maybe is the ideal moment of seeing “Marona” The film speaks about humanity with our weakness and dreams, about what is important in life- the purpose of life that is a perpetual love lesson. The values that deeply rooted in the film – the love and compassion, are a solid base while we rethink our lives. “Happiness is in small things” and “life is love lesson” is a good starting point for the humanity’s restart.












text & edit Ryoko Kuwahara


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