時間や距離、土地や民族を超えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間。 スクリプカリウ落合安奈「journey」
NeoL / 2021年6月4日 12時0分
『mirrors』drawing 2021年、中性紙に墨とアクリル、framed
©Ana Scripcariu-Ochiai, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
スクリプカリウ落合安奈個展「journey」がAkio Nagasawa Gallery Aoyamaにて開催。落合は1992年埼玉県生まれ。日本とルーマニアの二つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに「土地と人の結びつき」というテーマを持ち、国内外各地で土着の祭や民間信仰などの文化人類学的 なフィールドワークを重ね、近年はその延長として霊長類学の分野にも取り組みながら、インスタレーションや写真、映像、絵画などマルチメディアな作品を制作している。
本展では、『mirrors』と『明滅する輪郭』という2つのシリーズの新作を発表。『mirrors』は、「土地と人の結びつき」というテーマのもと、国内外各地で土着の風習や祭りに関するフィールドワークに取り組む延長上に2019年に発表した絵画シリーズ。それまで人間の営みの中から見出そうとしていたものを様々なサルの中に見つけたことをきっかけに「サルの中にヒトをみて、ヒトの中にサルをみる」というリフレクションを描く。今回はこれまでのキャンバス作品に加えて、初めてのドローイング作品を発表。『明滅する輪郭』は、日本とルーマニアの古写真に縫い付けられたビニール袋により可視化された「呼吸」によって、自己と他者を時空さえ超えて行き交 う成分によるつながりを表す、2015年から継続的に取り組んでいるシリーズだ。
「時間や距離、土地や民族を超えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間」を紡ぐ、スクリプカリウ落合安奈の世界をこの機会にぜひ。
以下、作家ステートメント。
移動すること 面と向かって誰かと出会い語り合うこと 現代を生きる人々の中に これまで当たり前にあった行動が 特別なものになってから 一年が経とうとしている
直立二足歩行に伴い
森から草原
そして地球上各地への
人類史的な移動に始まり
現代にかけて
遠くまで早く移動するための技術が発展し
生まれた土地
そして地球さえも後にして どこまでも遠くへと移動することが 人間にもたらしてきたものは何だったのだろう
『明滅する輪郭』(2点1組)2021年、ラムダプリントにビニールを縫製
©Ana Scripcariu-Ochiai, Courtesy of Akio Nagasawa Gallery
作家名 スクリプカリウ落合安奈/Ana Scripcariu-Ochiai タイトル 「journey」
会期 2021年6月3日(木)~6月19日(土)
11:00‒13:00 / 14:00‒19:00 木曜~土曜(日曜~水曜・祝日休廊)
※新型コロナウイルスに関する状況により、会期や内容は変更する可能性があります。
会場 Akio Nagasawa Gallery Aoyama
〒107-0062 東京都港区南青山5-12-3 Noirビル2F
TEL:03-6427-9611/FAX:03-6427-9612
http://www.akionagasawa.com
スクリプカリウ落合安奈 Ana Scripcariu-Ochiai
1992年 埼玉県生まれ
2016年 東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻卒業(首席・学部総代)
2019年 東京藝術大学 大学院 美術研究科修士課程 グローバルアートプラクティス(GAP)専攻 卒業
2019年~ 東京藝術大学 博士後期課程 美術研究科 美術専攻 彫刻
オフィシャルサイト https://ochiaiana.wixsite.com/anaso
Instagram https://www.instagram.com/ana_scripcariu_ochiai
主な展覧会
2020年
「Blessing beyond the borders ‒ 越境する祝福 ‒」埼玉県立近 代美術館(埼玉)
「Imagine opposite shore ‒ 対岸を想う」銀座 蔦屋書店・ GINZA SIX(東京)
「ENCOUNTERS」ANB Tokyo(グループ展・東京)
「Y. A. C. RESULTS 2020」National Museum Contemporary Art 国立現代美術館(グループ展・ルーマニア)
2019年
「骨を、うめる / ones final home 」nap gallery(東京) 「mirrors」Bambinart Gallery(東京) 「星座を想像するように ‒ 過去、現在、未来」東京都美術館 (グループ 展・東京)
「Bridge」 (グループ展・ベトナム、ホイアン[世界遺産]) 2018年
「明滅する輪郭」Bambinart Gallery(東京)
「Ascending Art Annual Vol.2 まつり、まつる」SPIRAL(グ ループ展・東京・京都巡回)
2017年
「trance」Bambinart Gallery(東京)
「Intersect」634展示室(東京)他多数
主な受賞
2020年
「Forbes Japan 30 UNDER 30」
「Y. A. C. RESULTS 2020」(SWITCHLAB/ルーマニア) 2019年 「コミテコルベール アワード 2019」ファイナリスト 2018年 「第5回 CAF賞(Contemporary Art Foundation Award)」ファイナリスト
2017年 「第7回 新鋭作家展」ファイナリスト(川口市立アー トギャラリー・アトリア/埼玉)
2016年
「平成27年度東京芸術大学美術学部全専攻」首席総代 「平成27年度東京芸術大学卒業制作・油画専攻」首席・買上賞 2015年 「上野芸友賞」受賞
レジデンス
2019年 Residence project/ホイアン(世界遺産)、ベトナム 収蔵
2016年 「It is the furthest = It is the nearest」(東京藝術大学 大学美術館)
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
外部リンク
- 時間や距離、土地や民族を超えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間。 スクリプカリウ落合安奈「journey」
- 『リタ・アッカーマン & アンドロ・ウェクア:Chapter 4』にあわせたブックプレゼンテーション
- 小岐須雅之個展|OGISU MASAYUKI Solo exhibition 『I don’t need eyebrows』開催
- 歴史の語りのなかで絡まりあう様々な力関係、言説、物質性を紐解き、想像を促す映像インスタレーション。mamoru「私たちはそれらを溶かし地に注ぐ/WE MELT THEM AND POUR IT ON THE GROUND」
- ファミコンのバグから生まれた絵画。岡田 舜 展 『under/stand』
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