OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.40 BE@RBRICK & ハマ・オカモト
NeoL / 2021年6月22日 17時0分
BE@RBRICK ™ & © 2001-2021 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画。第40回目は、ハマ・オカモトが小学生の頃から愛するBE@RBRICKに会うため、メディコム・トイを探訪。BE@RBRICKとの出会いからその尽きぬ魅力までを語った。
――以前からBE@RBRICKの大ファンだったそうですが、知ったきっかけは?
ハマ「初めてBE@RBRICKというものに触れたのがどこかは覚えていないんですが、“SERIES(シリーズ)2”から集めていました。中身がわからないクジのようになっていて、クリアケースに入れられたサンプルが置いてあったんですけど、その中のHORROR(2002年発売のSERIES4に登場。デザインコンテスト受賞者によるデザイン)がどうしても欲しくて買ったのが最初で、小学校高学年の頃ですね。頑張ってお小遣いを貯めて買いに行くもなかなかHORROR が出なくて、SFばかり出たという覚えがあります(笑)。KAWSや井上三太さんのものも入っていたけど、当時はそういうアーティストのことはわかってなかった。ただBE@RBRICKというもの自体に妙に惹かれたんです。
あと、僕はビックリマンチョコ2000とタイムスリップグリコが直撃した世代なんですけど、両方とも親の世代のリバイバルなので、一緒になってやってくれたんですよ。親子の交流する理由というのも小学校高学年くらいだとなくなってくる中で、父親と一緒にコンビニに行ってグリコを買ったりしていて。BE@RBRICKはその延長にあるものだったので、グリコよりは高いけどうまいこと言いくるめられないかなと思って誘ってみたらのってくれて、集めて置くということを一緒になってやってくれて。そのうち、『いつまでやんねん、お前』みたいになってきて無理になりましたけど(笑)。そういう、ちょうど幼心が思春期に差しかかる時にめちゃめちゃ引っかかったんです。中学校に入っても、よく学校の帰り道に新百合ヶ丘のヴィレッジヴァンガードに寄って買って帰っていました」
© & ™ Lucasfilm Ltd.
――小学生から今までというと、もはやBE@RBRICKと一緒に育っているくらい歴史を共にしていますね。
ハマ「そうですね。当時はモバイルサイトの会員にもなっていて、更新のタイミングの抽選で片桐仁(ラーメンズ)さんのBE@RBRICKを当てたこともあります。僕はそれを封のまま取っておいたんですけど、家を引っ越したタイミングでちゃんと飾ろうということになって、親が封を切ろうとして大喧嘩したり。そういう価値観を知ったのもBE@RBRICKからなんです。ブリスターから開けないとか、ディスプレイする、プレ値というものもそう。中古のおもちゃ屋さんに値段が上がったレアモデルが出ているのを見て、付加価値、プレ値というものの存在を人生で初めて知ったんですよ。でもプレ値で買おうということではなく、元々物持ちをよくしようと思ってる子どもだったので、やっぱり物は取っておいた方がいいんだと改めて考えを固めるきっかけになったというか。そういう価値観も育ったと思います。付いてるカードも蔑ろにされがちだけど、ちゃんと取ってます。カードはカードでちゃんと作品撮りされてるじゃないですか。あの感じもすごく好きで、そういうところが重要だと思ってました。
僕が買い始めた頃は周りはまだBE@RBRICKを知らなくて、『えっ、クマのおもちゃを集めてるの?』というようなことを言われてたんですよ。小学校高学年って大人ぶりたい年齢だからその反応もわかるんだけど、不思議と恥ずかしくなくて、堂々と部屋に飾ってました。それがベプシのおまけになったりするようになって、みんなも知るようになって。中学の時に好きだった子もBE@RBRICKを好きだったから一緒になってそういう話をしてたなあというのも今思い出しました。(カタログを見ながら)あ、このMANANA BANANA!(2005年発売)も全部持ってました。何かわからなかったけどデザインが気に入って。HORRORとシンパシーを感じるデザインだったんですよね」
――自分が好きなアーティストや企業のBE@RBRICKということではなく、デザインを見て購入していたというのはすごく良いですね。価値観だけじゃなく、センスの部分でも今に結びついているところがあるんじゃないでしょうか。
ハマ「結びついてますね。片桐仁さんのデザインは、後ろに人の背が描かれていて、この面積をフルに使わず余白を残していたんです。そういう発想があるんだと驚いたし、自分にない発想を知るのが面白かったです。あの表面積をみんながどう使うかというのが大喜利になっているというか、ものすごくセンスが問われるものになっていて、どんどんこれまでにないものが生まれていってるわけで。王道をいく人もいれば、吉田戦車さんみたいに、カワウソ君でもなく『伝染るんです』のクマという、そこを選ぶんだというところを出してくる人もいたりというのも面白かったし、そもそもその幅を受け止めるBE@RBRICKの懐の広さも凄いじゃないですか。20年もの間、一見さんにもインパクトがあってずっと見てる人も唸らせ続けている。そうやって子どもが買うものだからという風にならないで、いまだに欲しいと思わせるのはやっぱりすごいと思うんです。子どもっぽいとか片付けろとか散々言われてきたけど、高校の時に雑誌でNIGO®さんのフィギュア・コレクションを見て、僕も好きなメディコム・トイのものやケナー社のスター・ウォーズのものがあって、行き着いた人が集めてる物だからやっぱり間違いないと勝手に思っていました(笑)」
© 2021 MARVEL
© Hajime Sorayama
――自分だったらこういうものをつくりたいというアイデアはありますか。
ハマ「(藤原)ヒロシさんのファーをかぶったBE@RBRICK(2011年発売のWORLD WIDE TOUR BE@RBRICK fragmentdesign)を見て、これがいいとなるんだったらスパイダーマンのスーツの着脱式で、脱いだらピーター・パーカーが出てくるというのはどうだろう、とずっと思っていました。あと僕はUSフェンダーと契約しているからロゴのものがあればいいなあとか、レオ・フェンダーという電気屋のおじさんが作った会社だから彼の顔のBE@RBRICKがあったら爆笑して買うのに、とか。それは自分の作品じゃないけど、ファンだったらみんな、自分だったらあの枠でこうするというのは考えてしまうんですよね。
自分のものをつくるとしたら、BE@RBRICKはメジャーな企業とものづくりをしている魅力と、真逆のとてもコアなものともコラボレートしている二面性がきちんとある。僕は子どもながらにどちらかというとその後者の魅力に惹かれていたから、やっぱり違うカルチャーを知るきっかけになるようなものがいいなと思います。例えばこのヒロシさんのシープだって、単純に超かわいいとなって調べたらfragmentdesignに行き着いたり、BE@RBRICKは互いのことを周知させるハブになっていて。だから、自分のセンスを投影させてハブとなってもらうからには、もっと音楽を知ってもらえるようなものにしたいなと思います」
photography Shuya Nakano
text & edit Ryoko Kuwahara
メディコム・トイ
1996年設立。「自分たちが欲しいものを作る」をコンセプトに、 映画・TV・コミック・ゲームなど幅広い分野のキャラクターフィギュアを企画製造。2001年に「BE@RBRICK(ベアブリック)」を発表し、国内外のアーティスト、ブランド、企業、キャラクターなどと、多彩なコラボレーションを発信している。またテキスタイルブランド「FABRICK®」や「Sofvi.」の開発ほか、多岐に渡る事業を展開中。直営店は渋谷に「project1/6(1/6計画)」、スカイツリーソラマチ「MEDICOMTOYソラマチ店」、表参道ヒルズ「MEDICOM TOY PLUS」、渋谷PARCO「2G TOKYO」、心斎橋PARCO「2G OSAKA」を運営。
2021年、メディコム・トイは25周年、BE@RBRICKは20周年となる。
http://www.bearbrick.com/
http://www.medicomtoy.co.jp/
ハマ・オカモト
1991年3月12日、東京都生まれ。学生時代、同級生とともに現在のOKAMOTO’Sの原型となるバンドを結成。2010年、OKAMOTO’Sのベーシストとしてデビュー、結成10周年となった2019年には初めて日本武道館で単独ワンマンライブを成功させる。OKAMOTO’Sとして5月19日、2021年第5弾デジタルリリース「Band Music」を配信リリース。6月30日にKT Zepp Yokohamaにてワンマン公演「Young Japanese in Yokohama」を開催。
2020年5月には自身のムック本、BASS MAGAZINE SPECIAL FEATURE SERIES「2009-2019“ハマ・オカモト”とはなんだったのか?」を発売した。
http://www.okamotos.net
https://www.instagram.com/hama_okamoto/
https://twitter.com/hama_okamoto
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