名作『神様ごっこ』から5年。イ・ランのオリジナル・サード・アルバム『オオカミが現れた』が完成
NeoL / 2021年8月22日 12時0分
昨年にデジタル・シングルとしてリリースした「患難の世代」、そして本年、JET SETからリリースした7インチ・シングルに収録された「ある名前を持った人の一日を想像してみる」。アルバムから先行カットした曲がどちらも好評を博しているイ・ランが待望のサード・アルバムをリリースする。
2012年のファースト・アルバム『ヨンヨンスン』は、周囲の親密な世界を題材に、2016年のセカンド・アルバム『神様ごっこ』では自身が遭遇した理解し難い死と生をとりあげて大きく世界観を深化させたイ・ランだが、本作『オオカミが現れた』では、楽曲中にさまざまな語り部が登場、ストーリーテラーとしての手腕にあらためて感嘆させられる。他者の言葉に耳を傾け、その心の中を想像/創造するイ・ランからの対話の糸口となっている。
演奏陣には前作から引き続き、イ・ヘジ(チェロほか)やユ・ヘミ、キム・ヨンフンらが参加。さらにベーシストのイ・デボンとの共同プロデュースで、アカペラの曲やアンビエント調のトラックを散りばめて、大きく幅を広げた音楽性も発揮。
近年は文筆家としても多方面で活躍しているイ・ランは、これまでにエッセイ集『悲しくてかっこいい人』(リトルモア)、コミック『私が30代になった』(タバブックス)、短編小説集『アヒル命名会議』(河出書房新社)と3冊の単行本を日本でも上梓。さらに「あまり役に立たないチング」晶文社、「イ・ランの生命を担保にする(反)社会実験」(サイゾー)と本年スタートしたふたつの連載コラムも大きな話題を呼んでいる。
私の友達はみんな貧乏です
この貧しさについて考えてみてください
それはそのうち あなたにもふりかかかるでしょう
この土地には衝撃が必要です
「オオカミが現れた」より
イ・ランの音楽をはじめて聴いたとき、まるで川のようだと思った。満々と水をたたえて、その中で生きているものたちがいて、そしてどこかへ向かって流れているのだ。/いがらしみきお(漫画家)
イ・ラン(이랑)
『オオカミが現れた』
配信開始日(デジタル販売/サブスクリプション):2021年8月23日
収録曲数:10曲
価格(Bandcamp、Minna Kikeruほか):1,500円(アルバム)、150円(曲)
配信プラットフォーム/サービス:Apple Music、Spotify、iTunes、Amazon Music、Bandcamp、Minna Kikeru、レコチョク、OTOTOY、YouTubeほか
イ・ラン(이랑)
韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカンド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。その他、柴田聡子との共作盤『ランナウェイ』、ライブ・アルバム『クロミョン~Lang Lee Live in Tokyo 2018~』、デジタル・シングル「患難の世代」、7インチ「ある名前を持った人の一日を想像してみる/イムジン河」を発表。さらに、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』(2018)、コミック『私が30代になった』(2019)、短編小説集『アヒル命名会議』(2020)を本邦でも上梓し、その真摯で嘘のない言葉やフレンドリーな姿勢=思考が共感を呼んでいる。
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