JOHN LAWRENCE SULLIVAN SPRING / SUMMER 2022 COLLECTION
NeoL / 2021年9月20日 12時0分
デザイナー柳川荒士が追求し続けるテイラードスタイルは2022年春夏シーズン、狂気的な人間美を内包し、超人的な表現も伴って更なる進化を遂げている。映画「アメリカン・サイコ」に登場するサイコキラーが纏うスーツスタイル、コンゴ出身のオリヴィエ・デ・サガザンによるパフォーマンスアートに登場するスーツと泥の融合など、エクストリームな人間像から着想を得たコレクション。
ブランドのシグネチャーでもあるテイラードピースは、ウエストの両サイドが抉り取られたようなデザインのコートやジャケットが登場。同様のラウンドシェイプは他のピースにも応用されており、スーツスタイルとして完成するクロップドジャケットの裾、カットソーの袖先、シューズに至るまで、どこかフェティッシュなそのシェイプはコレクションの随所に見られる。
反対に、ウエストのシェイプを完全に消失させ、聳え立つ壁のようにも見える平面的なコートは、コレクションの中でも一際目を引くシルエットを創出。サイドポケットが中央にポジショニングし、前見頃全体がスライドしてしまったかのようなジャケットやバイカージャケットも今シーズンを代表するピースだ。襷掛けのようにも見える、フロントでファブリックを交差させたボンデージ仕様のニットやシャツのほか、ボタンダウンシャツの襟部分を応用させ、襟先を収納するためのスリットを設けたドレスシャツなども登場。
また長年コラボレートしているデザインデュオAhonen & Lambergが手がける総柄グラフィックは、シーズンテーマ「MAD MUD」を抽象的に表現したもの。コレクションの差し色にもなっている赤を効かせた同グラフィックはアウターからカットソーまで、様々なシルエットへと落とし込まれている。スクエアなシルエットをより強調させたドレスシューズやブーツ、ダブルソールのような仕様を取り入れたポインテッドトゥのヒー ルなど、足元にもJLSらしい美的感覚が散りばめられている。
ランウェイに登場するモデル達は、混沌とした人間性を表現、反映させた特殊なヘアメイクやヘッドピースを纏っている。泥まみれになったような質感のヘア、どこか毛細血管のようにも見える物質が複雑に絡まり合ったヘッドピース......。従来のJLSでは見られなかったような、それらの表現を実現してくれたのはウィッグメイカーとしても活躍するTomihiro Kono、そしてメイクアップアーティストのYuui Vision。スタイリストには、ブランド最初期の東京でのショースタイリングを手がけていた坂元真澄がカムバック。
デザイナーとも親交があり、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動するデュオバンドVOWWS が、オリジナルのショー音楽を制作。
「荒士の創り出すショーに、音楽を通じて参加できることを嬉しく思っています。狂気と美が共存するコレクションコンセプトは、私たちが考える音楽やアートの概念とも通じ合うものだったんです」と VOWWS の二人は語る。フィナーレではデザイナー自身が好きなVOWWSの「Esseff」が流れ、ショーが締め括られた。
PRODUCER: YOSHIO WAKATSUKI
STYLIST: MASUMI SAKAMOTO
HAIR & HEAD PROP: TOMIHIRO KONO
MAKE-UP: YUUI VISION
CASTING: BOBBIE TANABE
MUSIC: VOWWS
GRAPHICS: AHONEN & LAMBERG
SUPERVISOR: JUNSUKE YAMASAKI, HANNA KITA
PRODUCTION: DRUMCAN INC.
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外部リンク
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