人格形成を他者に依存する時代、私達自身の本当の姿はどこにあるのか? 現代アーティストENA Solo Exhibition 「f_a_c_e」
NeoL / 2021年10月13日 12時0分
現代アーティストENAによる、ENA Solo Exhibition 「f_a_c_e」が10月23日より開催。
ENAの初となる個展は、小橋賢児率いるThe Human Miracle(株)による新しい才能をプロデュースする新プロジェクト”ART BASE ZERO”に参加し、その第一弾アーティストとして発表される。先日の渋谷PARCOのグループ展で発表した作品が即日ソールドアウトになり、新人ながらも大きな話題となった気鋭の現代アーティストだ。
今回のSolo Exhibition 「f_a_c_e」は、舞台俳優をイメージしたポートレートに、アクリル絵具をマーブリングして描かれた、絵画シリーズを発表。初となる大型キャンバス作品にも挑んでいる。
自身が舞台などで活動した経験から人格(ペルソナ)に関心を持つENAは、本個展において、SNSの時代における人格形成をテーマに作品を制作。
肖像画をマーブリングで覆うことで、「影響力が高い記号」である顔を、絵画の流動かつ複雑な事象に置き換え、それは、SNSにおける匿名の存在性のポートレートであると同時に、この時代に他者の存在が、いかに私達の人格形成に対する影響力、または特に決定権を持ってしまっているかということを表現している。
SNSにおける自己表現とは、他者に「こう見られたい」という欲望であるが、それは同時に、他者の欲望に自分自身の姿を投影していくことでもあり、インフルエンサーに対する賞賛や批判は、人間の人格を他者が作り替えようとする行為ともいえよう…
そのように他者が自己を決定していくことを、自身が経験した演劇と対比し、ENAは舞台俳優のポートレートを用いて表現。
舞台上、あるいはその外においても、他者による「人格への介入」に晒される俳優達の顔をマーブリングすることは、俳優の変身を表現していると同時に、観客や鑑賞者という見る側の欲望や視点を、視覚化する試みである。
人格形成を他者に依存する時代、私達自身の本当の姿はどこにあるのか?
ENAの表現は、私達の「見る/見られる」の関係をあらためて考えることを促す。
【Artist Profile】
ENA (エナ) / 現代美術家
美術専攻で高校を卒業後、油彩画、アクリル画、コラージュ、立体造形、写真、映像、音響、インスタレーションなど、固定概念や枠にとらわれず、社会や文化にフォーカスし様々な手法で自身のアイデンティティを表現している。
また、色彩論ではなく、独自の構想や捉え方で"色"にアプローチし、作詞家や作曲家の様に、色彩での表現行う"作色家"として作品作りを行なっている。
Instagram:@e_n_a_58
【ENA's Statement】
2020年新型コロナウイルス感染症(COVID?19)流行により、展示や近い予定さえもなくなり、呆然としてアトリエにいた時、5年前に制作したこのポートレートシリーズの作品と目があった。
溢れかえる情報、混乱する心情、SNSのみのコミュニケーション。
顔を覆い保護する人々にリンクし、そこからこのシリーズを再スタートさせた。
視覚では、見えていない色がある。
視覚という、究極なる感覚器官を持ってしても、見えていない事象があるからこそ、
私達は想像力で、対象物への認識を補っている。
視覚と想像力、その両方で、他者を「見る」瞬間を、作品によって切り取りたいと考えています。
ENA Solo Exhibition 「f_a_c_e」
2021年10月23日(土)〜10月30日(土)
港区六本木5-2-4 ANB Tokyo 3F
11:00〜19:00
※最終日のみ15:00まで
休館日:なし
入場:無料
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
外部リンク
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- ギャラリー自体から構想を得たサイトスペシフィックな展示。澤田航と橋村雄一が主宰する建築設計事務所Sawada Hashimura「Every man is a liar.」
- 人格形成を他者に依存する時代、私達自身の本当の姿はどこにあるのか? 現代アーティストENA Solo Exhibition 「f_a_c_e」
- 掘り起こされた土地や建物の歴史、そこで暮らしていた人々の痕跡。山谷佑介 個展『KAIKOO』
- 植物が命をまもる衣となり、命をつなぐ食となる。野村友里、壱岐ゆかり 企画による展覧会 「Life is beautiful : 衣・食植・住」
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