ディオールと写真家サラ・ムーンの対話。写真集『DIOR BY SARAH MOON』が発売

NeoL / 2022年10月11日 17時0分

ディオールと写真家サラ・ムーンの対話の延長として、メゾンは彼女が撮影した写真をエレガントなボックスセットに収めた形で出版。作品の多くはこの写真集のために、ル・コルビジェ財団やディオールのアーカイブ部門にて撮影されたもの。
「ファブリックは夢の実現を後押しする唯一の存在です。そしてファッションは、つまるところ夢の成果であり、夢は逃避のひとつの形です」、とクリスチャン・ディオールは回想録に記している。サラ・ムーンは、掴みどころがなく触れて確かめることができないファッションの夢を切り取って、はかなく、力強い陰影のある写真に捉えた。それはディオールの精神とスタイルを超越する、絵画的で動きのある詩のひとつの形。クリスチャン・ディオールとその後継者たち、とりわけウィメンズコレクションのクリエイティブディレクターであるマリア・グラツィア・キウリが創造したシルエットが発揮する力を表現する。サラ・ムーンの作品のテーマは、複雑さゆえに荘厳である、多面的な女性らしさ。それを印象的な3巻構成で披露する。各巻では、ディオールのさまざまな側面とそのクリエイションの建築的なエッセンスが取り上げられる。
第1巻では、ブラック&ホワイトの無限のバリエーションを掘り下げる写真のセレクションを展開。特に1947年から1957年までの、ムッシュディオールによるアイコニックな作品にフォーカスを当てる。中でも際立つのは、マヨルカ島出身のモデル、アンドレア・グティエレスの優雅さ。サラ・ムーンが序文で記したように、“過去と現在に属する、タイムレスな女性を体現する”モデルだ。
ところどころカラー写真を挟んだ第2巻の作品は、時間を遡ってディオールのアーカイブにフォーカスを当てる。イヴ・サン=ローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、マリア・グラツィア・キウリによるアイテムと、それらに添えられたオリヴィエ・サイヤールによるテキストが、アーティストのレンズに向かって、常に進化し続けるメゾンの歴史を語る。
第3巻は、2016年に始まったサラ・ムーンとマリア・グラツィア・キウリの対話を再現。人を惹きつけるオーラを放つ、おぼろげな写真は、2人の女性を結ぶ特異な絆を読者に向けて明らかにし、マリア・グラツィア・キウリの作品の段階的な進化を示すことで全体を概観できるように導く。
「身体を衣服に包みつつ、さらけ出すこと。それが私を引き付けたのだと思います」サラ・ムーン「かつて私は彼女の写真を通してファッションというものを理解しました。私がディオールに来て、ファッションデザインにおける女性らしさの新たな解釈を模索し始めたとき、その学びを思い出しました(......)。サラ・ムーンの特徴は、無意識の動きと過去に遡る直感に形を与える能力、そして言葉では言い表せない雰囲気を描き出す才能にあります。このような理由から、彼女のビジョンは私のディオールにおける創作プロセスが語るストーリーを見事に転写することができました。それは時代に根を下ろし、自分の心に耳を傾けることで力を引き出す女性のビジョンです」とマリア・グラツィア・キウリは語る。
サラ・ムーン、オリヴィエ・サイヤール、マリア・グラツィア・キウリによるテキスト、およびサラ・ムーンが選んだムッシュディオールの言葉を盛り込んだボックスセットは、デルピール出版より2022年10月27日に発売される。

3巻ボックスセット(26x26cm)
240 ページ、白黒およびカラーの写真 120点フランス語版と英語版
価格:120 ユーロ/150 米ドル