Shohei Takasaki「3 HEARTS 9 BRAINS BLUE BLOOD」
NeoL / 2022年11月13日 12時0分
Untitled (November 7 2022).
2022. Oil stick, acrylic, charcoal and mixed media mounted on wood cradled panel. 259 x 194 x 5 cm.
2022年11月26日から12月25日まで、Gallery COMMONではShohei Takasakiの個展「3 HEARTS 9 BRAINS BLUE BLOOD」を開催。本展では、衣服やクチュールの世界から着想を得て、布をコラージュにして用いたペインティングやドローイングの新作を発表し、自己表現の方法やアートとファッションを対照的に捉えているその価値観に問いを投げかける。Gallery COMMONでは2018年以来、二度目の個展となる。
Untitled (September 17 2022). 2022. Oil stick, oil pastel and mixed media mounted on paper. 150 x 115 cm.
埼玉県で生まれ、その後アメリカのポートランドとオーストラリアのシドニーに移り住んだTakasakiは、二項対立という幻想と二項の狭間にあるグレーゾーンを探求するような活動を長いあいだ続けてきた。本展でTakasakiは、ファッションをアートと対比的に見せるよう使い、衣服が身体を隠す事態と絵の具がキャンバスを隠す事態とを比較する。
Takasakiは次のように述べている。「僕はこの「ファッション」が持つ性質と絵画の創作方法の一つである「コラージュ」をよく重ね合わせます。コラージュは大抵の場合、時間を大幅に省略することが出来たり、全く別の次元から思いがけないフラグメントを持ってくることが出来たり、元々アーティストの頭の中でだけビジュアライズされていた作品の完成イメージから、なるべく遠ざかることが出来たりしますよね。ファッションについて言うと「体を覆う」という性質から、頭の先から爪先まで体にはいくつものセクションが存在していて、だから、全体としてのファッションの表現はいくつものエレメントがコラージュされて(コンテキストを一才無視する)出来る一つのキャンバスなんですよね」。
Untitled (September 21 2022). 2022. Oil stick, oil pastel and mixed media mounted on paper. 150 x 115 cm.
Takasakiがファッションの「即時性と無意味さ」の側面に惹かれるのは、こうした考えから来ている。洋服を着るには、すなわち「衣服のコラージュ」を創るには、数分と少しの労力しか掛からない。これは、長い時間をかけ、ゆっくりと進む絵画と対比関係にある。しかし今回は、「衣服のコラージュ」を用いて制作することで、Takasakiは絵画の限界を超えていき、私たちは「即時的で無意味なもの」が与えてくれる自由を感じとれるだろう。
このように、Takasakiは意識的な思考や意図なしに「自動創造」されることを推奨する、1920年代のオートマティスムの芸術運動から着想を得た技法を用いて制作している。自ら自分を秒単位の創造行為に投げ出し、思いもよらない結果を生み出すことで、作家は自分の精神的な限界から解放されるのだ。
伝統的な絵画における高尚な目的を覆すことで、作品を創り出すという行為を、服を着るという行為と同じくらい単純で直接的なものにします。こうした意味で私たちは、アートとファッションを融合させた、より直接的で純粋な表現を見ることができる。
Shohei Takasaki
3 HEARTS 9 BRAINS BLUE BLOOD
Nov 26 (Sat) - Dec 25 (Sun), 2022
COMMON(B1F 5-39-6 Jingumae Shibuya-ku Tokyo 150 0001 Japan)
http://www.gallerycommon.com
Shohei Takasaki
1979年、埼玉県生まれ。日本で育った後、アメリカのポートランドに移り住み、現在はオーストラリアのシドニーを拠点に活動。
Takasakiの作品の根底には、「比較」するという一貫したテーマがある。オイルパステル、木炭、絵の具、既製品、布など、様々な素材を用いて、いくつもの手法を使い、ひとつの主題やモチーフを描き出す。そして、こうした並置から生じる「中間性(in-betweenness)」に目を向けている。「自己と他者」「国内と国外」「体内と体外」「自国語と外国語」「フィジカルとオンライン」「現実と仮想」「過去と未来」「生と死」などの境界を問う作品を通じて、私たちの思い込みを捉え直し、より微細な差異をもった「中間」として世界を理解するために、他者との対話を深めるよう促す。
Takasaki はこれまでにポートランド、ロサンゼルス、クウェート、メルボルン、香港、東京など、様々な都市で作品を発表。また、シアトルにあるスターバックス本部やポートランドのホクストン・ホテルなどのパブリック・コレクションにも収蔵されている。
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
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