私は脳内でもう一つ王国を生み出し現実と行き来をしながら、生きている彼らのまなざしを描いている。気鋭作家・やましたあつこによる最大規模個展 「まなざしを綴る」
NeoL / 2023年4月25日 12時0分
株式会社Tokyo International Gallery(品川・天王洲)では、気鋭作家・やましたあつこによる個展、「まなざしを綴る」を開催。作家にとって最大規模となる今展示では、数々の新作に加え、幅7M規模の壁画も制作・公開予定。
作家によるステイトメントは以下。
天井を眺める。
付着しているシミはだんだんとパンダに見えてくるが、それは見ているようで視点の調整といったところか。じわじわと天井のシミから王国の景色へと視界は現実から脳内へ動いてゆく。
目をつぶればどこへでも行ける。
心はどこにあるのだろうか。
それは重力を持たず、視認することもできない。
生物は生きるため環境に対応するためにそれぞれ進化を遂げている。
暗闇でもはっきりと視える目、獲物を捉えるために特化した脚足、水中で呼吸ができること、脳はシステマチックに働き繁殖を目指す。
そんな中で霊長類のニンゲンは心を持つことにしたのである。
この非合理的な選択は合っていたのだろうか。
認知、情動、意思決定、言語発達、記憶、学習
朝のバス停へ歩く。スーツを来た男性が並んでいる。今日は水曜日だし。
このバスは工場地帯へ向かうバスだから取引先に行くというところかな。
あの人は服も髪型も自由だから私と同じでアトリエに行く人かもしれないな。ある程度の予想をすることができ、他人の心を理解しようと自動的に心の理論が働く。
心がなければ、ある事で酷く傷付き引きこもりを始め孤独がピークを迎えた時に身体にまで影響が出る事もない。好きな人へ長いアプローチ期間の末に恋人となりキスをするこれ以上ない喜びと高揚感に包まれる事もない。
脳がつむぎ出す幅広い精神活動の上であなたは存在している。
私は脳内でもう一つ王国を生み出し現実と行き来をしながら、生きている彼らのまなざしを描いているわけで、その絵を見るあなたは自分自身の体験を元に自由に想像することができる。
あなたの心の理論はどう動くだろうか。
やましたあつこ
「まなざしを綴る」
・会場:Tokyo International Gallery
・住所 :東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEXⅡ 2F
・開催期間:2023年5月13日(土)〜 2023年6月24日(土)
・オープニングパーティー:2023年5月13日(土)17:00 〜 20:00
・THE PARTY(TACⅡ):2023年6月10日(土)17:00 〜 20:00
・休廊日:日曜、月曜、祝日
【 安全·安心への取り組み 】
・入口にアルコール消毒液を設置しております。
・スタッフの健康・体温チェックを強化し、手洗い・うがい・手指消毒等を徹底しております。
やましたあつこ
1993年、愛知県出身。
2018年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業。
幼少期の体験に基づいて創生したパラレルな世界を油彩、日本画材を使いながらドローイング的な柔らかい筆致で絵画に起こし、一貫して「邪魔のない幸せ」を描いている。
第35回ホルベインスカラシップ奨学生。主な個展に「王国のベール」(GINZA SIX 銀座 蔦屋アートウォール, 東京, 2022)、「once upon a time」(NADiff A/P/A/A/R/T, 東京, 2021)、「Utopia」(TAKU SOMETANI GALLERY, 東京, 2020)「HER」(TAKU SOMETANI GALLERY, 東京, 2019)、「once upon a time」(NADiff A/P/A/A/R/T, 東京, 2021)などがあり、主なグループ展には「式畫廊開幕首展」(SAN GALLERY, 台湾, 2022)、「”Ampersand"旧图像世的挽歌」 (東京画廊+BTAP|北京, 中国, 2022)、「TAION: when we talk about our world」(Spiral Garden, 東京, 2021)など多数。主な受賞歴に「シェル美術賞2018 藪前知⼦審査員賞」、「第4回CAF賞⼊選」があり、また作品は愛知県美術館にパブリックコレクションとして収蔵されている。
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
外部リンク
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