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沖縄の人々に密着した作品を約170点展示「石川真生ー私に何ができるかー」

NeoL / 2023年7月19日 17時0分

沖縄の人々に密着した作品を約170点展示「石川真生ー私に何ができるかー」

〈大琉球写真絵巻〉より 沖縄でバイレイシャル(ミックスルーツ)として生きること 2021
親富祖大輔41歳、愛39歳。ティーダ11歳。ユンタ10歳。ニヌファ6歳。カナヨー3歳。
日本や沖縄でミックスルーツの子供達がどう扱われてきたかを隠すのが優しさだろうか。1985年まで日本国籍がもらえずにいたこと、公立の学校に通うこと、戦争孤児の施設に入ることすらゆるされなかったこと。なぜこんなにミックスルーツの子供達が増え、生まれ育っているのに、社会はいつまでも昨日来たばかりの外国人のように区別するのか。学校教育に求めたい。日本人教育を変わらず推し進める姿勢を問いたい。日本人らしさを子供達に乱暴になげていないだろうか? おじぎの文化を教える時に日本人らしいと付け加えることで、ミックスルーツの子供達を置き去りにしていないだろうか? 社会がマイノリティに与える問題を理解出来ないということは、無意識に自分自身が与えていることにも気付けていなかったりする。
アメリカの犠牲の上に成り立つ社会も沖縄の米軍基地も人種主義もマイクロアグレッションも成り立たせているのは無関心の意識の人々だ。そういう人達が無関心から抜け出すと社会や世界は変わる。 
撮影:2021年4月24日、本部町営市場



東京オペラシティ アートギャラリーにて、沖縄を拠点としながら精力的な制作活動を続ける写真家・石川真生(1953-)の初期からの主要な作品を始め、とりわけ2014年から取り組んでいる「大琉球写真絵巻」の新作を中心に展示し、石川真生の実像に迫る個展を開催。
石川の作品は、2004年の横浜美術館でのグループ展「ノンセクト・ラディカル 現代の写真 III」において、沖縄以外の美術館で初めて紹介された。以来、国内外での数多くの展覧会を経て、2021年には沖縄県立博物館・美術館にて回顧展「石川真生」が開催された。本展は回顧展で示された成果も踏まえつつ、東京で初めての個展として開催する。石川の写真は、国内外にパブリックコレクションがあり、その活動も広く知られているにもかかわらず、これまで発表された作品の流れを紹介する機会が多くなかった。本展では、初期の作品から最新作に至るまで、石川の作歴を概観することができると同時に、昨年沖縄の本土返還70周年を迎えるもなお、困難な状況に置かれている現代の沖縄という地政学的な最前線で撮影を続けている石川の最新作を見ることができる好機にもなる。





〈Life in Philly〉より 1986





〈赤花 アカバナ 沖縄の女〉より 1975-1977


[caption id="attachment_122731" align="alignnone" width="650"]

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〈ヘリ基地建設に揺れるシマ〉より 2002
旧暦3月3日、地域住民に基地を開放。名護市(キャンプ・シュワブ)、2002年4月





〈沖縄と自衛隊〉より 1993
「武装訓練」中。ミサイルを運ぶ。1993年9月9日





〈港町エレジー〉より 1983-1986


[caption id="attachment_122734" align="alignnone" width="650"]

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〈基地を取り巻く人々〉より 2009
米軍機が「普天間飛行場」に降りていく。宜野湾市上大謝名、2009年7月





〈大琉球写真絵巻〉より 2014
「薩摩よ、来るな!」。祈るカミンチュ(神人)


石川真生は、1953年、沖縄県大宜味村に生まれた。1970年代から写真をはじめ、1974年、WORKSHOP 写真学校東松照明教室で写真を学ぶ。沖縄を拠点に制作活動を続け、沖縄をめぐる人物を中心に、人々に密着した作品を制作している写真家だ。被写体となる人々に耳を傾け、立場を越えて取材することで引きだされるリアルな人間像は、沖縄の現実を生々しい切り口で暴き出している。1970年代、石川は、沖縄在米兵の黒人のためのバーに勤めながら同僚たちの女性とその奔放な生活を撮影した〈赤花 アカバナ 沖縄の女〉、そのときに出会った黒人兵の故郷を訪ねる〈Life in Philly〉など、その時々の人間との出会いをきっかけに、立場を越えて写真を撮り続けるスタイルは、早くから確立されていた。 沖縄を拠点に、旧日本軍、自衛隊、米軍に関わりのある人物や出来事を取材し、国内外を問わず精力的な撮影を行うが、共通しているのは、あくまでも個々人の人間性を見つめ、被写体に接近する石川の独自のまなざし。近年では、〈日の丸を視る目〉を契機とした、〈森花―夢の世界〉〈大琉球写真絵巻〉など、創作写真ともいわれる作品を発表し、被写体との信頼関係を基盤にした作品作りは変わらず、いまもなお新たな制作に向けて取材を続けている。
本展は、1970年代の初期に発表していたプリントにはじまり、現在に至るまでの写真家活動を振り返る。それぞれのシリーズから作品を選択し、とりわけ近年最も注力を注いでいる〈大琉球写真絵巻〉の近作、最新作を含め総数約170点もの作品を展示し、作家が築き上げてきた沖縄に対する独自のまなざしを紹介する。


石川真生 ―私に何ができるかー
会期 2023年10月13日[金]- 12月24日[日]
会場 東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間 11:00 - 19:00(入場は 18:30 まで)
休館日 月曜日
入場料 一般 1,400 [1,200]円/大・高生 800 [600]円/中学生以下無料
主催 公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛 日本生命保険相互会社
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

*同時開催「収蔵品展 077 ひとの顔」「project N 92 土井沙織」の入場料を含みます。
*[ ]内は各種割引料金。
*障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
*割引の併用および入場料の払い戻しはできません。






石川真生(いしかわ まお)
1953 年、沖縄県大宜味村生まれ。1970 年代から写真をはじめ、1974年、WORKSHOP 写真学校 東松照明教室で写真を学ぶ。沖縄を拠点に制作活動を続け、沖縄をめぐる人物を中心に、人々に密着した作品を制作している。2011年、『FENCES, OKINAWA』で、さがみはら写真賞を、2019年には日本写真協会賞作家賞を受賞。国内外で広く写真を発表し、沖縄県立博物館・美術館のほか、東京 都写真美術館、福岡アジア美術館、横浜美術館、ヒューストン美術館(アメリカ)、メトロポリタン美術館(アメリカ)などパブリックコレクションも多数。



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https://www.neol.jp/art-2/

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