『枯れ葉』 アルマ・ポウスティ来日インタビュー/Interview with Alma Pöysti about “Fallen Leaves”
NeoL / 2023年12月13日 17時0分
2017年に突如引退を宣言して世界中のファンを悲しませた、フィンランドの巨匠アキ・カウリスマキが帰ってきた。「無意味でバカげた犯罪である戦争の全てに嫌気がさした」という監督が再びメガフォンを執って制作した新作『枯れ葉』は、ヘルシンキで暮らす孤独な男女のラブストーリー。理不尽に解雇され追い詰められたアンサと、酒に溺れながら工場で働いているホラッパが、互いの名前も知らずに惹かれ合うところから始まる。カウリスマキ作品ならではのノスタルジックな風景や独特のユーモアは健在で、随所に映画愛が散りばめられ、厳しい現実の中でも喜びや誇りを失わずに生きる労働者たちの日常と、そこで生まれた静かな恋の物語が描かれている。ここでは、12月15日の日本公開を前に初来日を果たしたアンサ役のアルマ・ポウスティ(『TOVE/トーベ』)に、映画の製作秘話やカウリスマキとの現場について聞いた。
→ in English
――日本へようこそ!アキ・カウリスマキ監督の映画が再び観られるとは思っていなかったので、『枯れ葉』はうれしいサプライズでした。監督からはどのようにオファーされたのですか?
アルマ・ポウスティ「ありがとう! アキ自身も含む、みんなにとってサプライズだったと思います(笑)。再び映画を作ろうというインスピレーションを得たみたいです。ある日、電話がかかってきて、『アキ・カウリスマキがあなたに会いたがっています。来ていただけますか?』と言われました。とても非現実的な出来事でしたし、そんなことが自分の身に起こるとは考えたこともありませんでした。そしてランチに行くと、彼が本当にいたんです! 私はずっとアキの映画を観て育ちましたし、ヘルシンキにある彼のバーや映画館に行ったこともあります。ずっと身近な存在だったのですが、会ったことはありませんでした。本作で共演したユッシ・ヴァタネンも一緒にランチに行ったのですが、犬や森や政治の話をして、映画のことは話さなかったんです。あの時点では、全員ちょっとシャイだったのかも(笑)。でも、最後の方になって、彼から本作の構想とメインテーマについて話があり、出演しないかと聞かれました。それもまた、非現実的な出来事でした」
――最初にそう言われたときは、どう思いましたか?
アルマ・ポウスティ「本当に信じられないと思いました。そしてもちろん、イエスと答えました。それから一年後に脚本をいただいたのですが、とても美しい物語でした。アキは口数が少ない人なので、とても短い脚本でした(笑)」
――少ない言葉を通して多くを語る監督ですよね。
アルマ・ポウスティ「その通りです。正しい言葉なんですよね。まるで詩を読んでいるみたいでした。彼の文章はとても素晴らしくて、正確で、面白いと同時に感動的なんです。すべては脚本に書かれていて、とても感心したし、心を奪われました。それから数ヶ月後に撮影が始まりました」
――監督は長年にわたって同じクルーと仕事をしているそうですが、カウリスマキ組での撮影はいかがでしたか?
アルマ・ポウスティ「とても学びの多い現場で、私たちを往年の映画制作の旅へと連れて行ってくれました。本作は35mmフィルムで撮影されているんです。彼らには独自のルールがあり、現場での集中力は驚異的でした。そして、できればワンテイクで撮りたいというアキの希望により、ほとんどすべてのシーンがワンテイクで撮影されました。ユッシも私も複数のデジタルカメラで何度もテイクを重ねることに慣れていたので、最初は怖かったです。カメラが回ったら、照明も小道具も何もかも上手くいかないといけないわけですから。
でも、実際にその瞬間が捉えられると、それがいかに美しいアイデアなのか理解できるんです。カメラが映し出すのは、最初で唯一の瞬間です。演技を繰り返すと、途端にちょっとした嘘が生じてしまうんですよね。本作で用いられたありのままの正直な手法から得られる美しさは、とても貴重なものでした」
――監督の作品は独特な静寂も魅力的ですが、ユーモアのセンスも素晴らしいですよね。実際にはどんな人なのですか?
アルマ・ポウスティ「アキはとても面白いんです。私たちは“一発ギャグの先生”と呼んでいます(笑)。もちろん、現場では集中していて厳しい表情も見せますが、この上なく温かい、優しい心の持ち主です。本当に素晴らしい人なんです。現場の集中力はとても高いですし、クルーは長年一緒に仕事をしているので話す必要すらない。でも、誰かがジョークを飛ばすとみんなが爆笑して、それから再び集中モードに戻るんです(笑)。まさに“アキランディア”、つまり、アキのワンダーランドでした」
――撮影前にはどのように役作りをしましたか? アンサという人物について、監督とは何かお話しされましたか?
アルマ・ポウスティ「実はすべて脚本に書かれていたので、話すべきことは何もありませんでした。アキは私を信用してくれましたし、私もアキを信用していました。アキ・カウリスマキ監督ですから、当然ですよね(笑)。でも、『リハーサルはしないように』と言われたんです。一緒でも一人でもリハーサルは禁止。台詞は覚えてほしいけど、準備には時間をかけすぎないように、と」
――難しい注文ですね。
アルマ・ポウスティ「それに加えてワンテイクなわけですから、恐怖ですよ(笑)。私はオタク気質で何かをせずにはいられなかったので、彼の作品をすべて見直すことにしました。そして、アンサは過去の作品に登場した誰かの遠い親戚なのかも、と感じたのです。今では20作にも上る、彼がこれまでに手がけてきた壮大な作品群において、私も小さな繋がりの一つなのかもしれない、と思いました。他の人がやったことを真似したりはせず、自分自身の演技をする必要がありましたが、そこには何か繋がりがあるべきだと思ったんです。それが私にできる最低限の準備でした。
あとは感覚をつかむために、バーで少しだけ働きました。アンサにとって大切な場所だと思ったので、劇中で彼女が働いていた工場やスーパーにも足を運びました。仕事を自分の中に取り入れて、どうにか自然にこなせるようにしておきたかったんです。『リハーサル禁止』と言われた私が仕掛けた小さなトリックです(笑)」
――監督が描いてきた世界の一部になろうとしたというお話は、大変興味深いです。劇中では過去の作品の登場人物が出てくるシーンがあって、作品間の繋がりを感じましたし、「あの人、元気だったんだ」と驚きました。
アルマ・ポウスティ「その通りです! 気づいてくれて、すごくうれしいです(笑)」
――冒頭では60年代くらいの物語なのかなと思ったのですが、アンサの部屋のラジオからロシアによるウクライナ侵攻に関するニュースが流れてきて、これは現代の物語なんだ、と気づかされました。特に世界がこのような状況に置かれた今、エンパシーと人間味に満ちた映画を観ることに大きな意味があると感じたのですが、この物語をどのように受け止めましたか?
アルマ・ポウスティ「私も同感です。本作は皮肉や搾取に対する対抗勢力として、思いやりを示唆しているんだと思います。そして、さまざまな形でお互いを思いやる方法を伝えています。それに、ラブストーリーは今、私たちが本当に必要としているものであり、私たちはそれを現実の生活にも持ち込む必要があります。なぜなら、現実世界こそが、ラブストーリーが本当に必要とされている場所だからです。また、この映画には連帯感があり、大きなインスピレーションを与えてくれます。私たちは自分のことだけを考えるのではなく、お互いをもっと大切にする必要があるんです」
――これまでに観た中で一番シャイなラブストーリーかもしれません。とても長い沈黙が流れる、アンサとホラッパの出会いのシーンが印象的でした。
アルマ・ポウスティ「おっしゃる通り、本作は私がこれまでに出演した中でも一番シャイなラブストーリーです(笑)。可笑しかったのですが、アキからは、『頬へのキスが一回、握手が一回、それに、おでこへのキスが一回。つまり、情熱が詰まっているんだ!』と言われました。出会いのシーンは私のお気に入りの一つなのですが、まさかあんなに長いシーンになるとは! とてもロマンティックなようでいて、シュガーというよりもビネガーというか。独特な世界観で、残酷で正直でつらくて、そして同時に、完全に人間的なんです。だからこそ、私たちはアキのことを信じられるのかもしれません」
――また、本作にはたくさんの映画愛も詰まっています。『デッド・ドント・ダイ』を観に行くシーンは笑ってしまいましたが、なぜあの映画だったのでしょうか?
アルマ・ポウスティ「よくわからないのですが、最初から脚本に書かれていたんです(笑)。ジム・ジャームッシュ監督とアキは、長きにわたってお互いに目配せしてきました。彼らは映画を通した特別な美しい友情で結ばれています。また、アキは本作を通して、映画の神々にオマージュを捧げているようです。とても美しいことですよね」
――もう一度観て、細かいところまでチェックしたくなりました。
アルマ・ポウスティ「私も何度か観たのですが、観るたびに新しい発見があるんです。とてもシンプルな物語ですが、多層的なんですよね。エリート主義ではないところもいいなと思います。映画によっては出典を知らないと意味がわからないような、ちょっとスノッブな作品もあるけれど、アキはみんなを歓迎してくれます。隠されたものを発見できたら楽しいし、もしわからなくても世界の終わりではない。彼は寛大なフィルムメーカーなんです」
――現場でも映画の話はしたのですか?
アルマ・ポウスティ「アキは常に映画について話しているんです(笑)。映画や文学、音楽をいつもフォローしていて、懐かしむだけでなく、最近の動向もチェックしています。彼の映画への情熱は古臭いものではないんです」
――これまでの作品と同様、本作でも音楽が重要な役割を果たしています。特にバーで演奏していた2人組のガールズバンドが気になりました。
アルマ・ポウスティ「彼女たちはマウステテュトットといって、実在のバンドなんです。素晴らしいんですよ! 2人は姉妹で、自分たちで曲を書いています。フィンランドで大人気なのですが、本作をきっかけに今では海外でもライブをしています。バンド名の“マウステテュトット”は、フィンランド語で“スパイスガールズ”という意味。彼女たちは私たちが知らぬ間に必要としていた、悲しみと落ち込みという2つのスパイスだったわけです(笑)。最高のバンド名ですよね!」
――なぜ彼女たちは本作に出演することになったのですか?
アルマ・ポウスティ「アキが彼女たちの音楽を聴いていたんです。彼は本当にチェックしているんです」
――そして、監督の作品といえば犬が欠かせませんが、本作にもとてもかわいい犬が出演しています。彼女の本名はアルマというそうですね。
アルマ・ポウスティ「私と同じ名前なんです、運命ですよね。彼女は非常にプロフェッショナルで、本作がデビュー作なのですが、その才能やリズム感、そして、撮影中に自ら下す力強い決断などに感心しました(笑)。監督の愛犬だから、なんでも許されるんです。彼女は野良犬だったそうですが、ポルトガルで監督に拾われたそうです」
――本作はカンヌ国際映画祭で審査員賞に輝きました。カンヌはいかがでしたか?
アルマ・ポウスティ「カンヌでの上映は衝撃的でした。とても大きな劇場だったのですが、急にとても親密に感じたのです。人々はアキが復帰を果たし、作品と一緒にカンヌに戻って来たことを非常に喜んでいました。とても力強く美しい瞬間で、あまりにパワフルだったので、ユッシと私はしばらく震えが止まりませんでした」
――観客の反応はいかがでしたか?
アルマ・ポウスティ「素晴らしかったです。みんな泣いたり笑ったり、本当に感動していました。その後、世界中で同じような反応が得られたんです。たとえ出自や言語が違っても、観客と作品を繋ぐことができるアキの才能は特別なものです。観客はユーモアや感情や孤独を受け取って、登場人物と繋がることができるのですから。それは本当に難しいことで、彼はまさに巨匠なのです」
――監督との仕事を通して学んだ最も印象的なことは?
アルマ・ポウスティ「本作では、少ない方が豊かだということについて多くを学びました。そして時には、物語を伝えるために必要なものがいかに少ないかということも。今はどれだけピュアな演技ができるかにとても興味があるんです。どれだけレイヤーを取り去り、カメラに演技を見せることができるか。それはアキから学んだ特別なことだと思います。
他にも、この作品から得たものはたくさんあります。いかにアキが映画を大切にしているか。いかに一本の映画が重要な意味を持つことができるか。映画は人に希望を与えることができます。81分間、暖かい場所で過ごすことができて、映画を観ることで変わることだってできる。そのことを彼は強く証明しているんです。だから、私はそれを体験できたことに感謝しているし、幸せに思っています」
Photography Marisa Suda(https://www.instagram.com/marisatakesokphotos/)
Text nao machida
『枯れ葉』
12月15日(金)よりユーロスペースほか全国ロードショー
公式サイト:kareha-movie.com
監督・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン 出演:アルマ・ポウスティ(『TOVE/トーベ』)、ユッシ・ヴァタネン(『アンノウン・ソルジャー 英雄な き戦場』)、ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイヴ
2023 年/フィンランド・ドイツ/81 分/1.85:1/ドルビー・デジタル 5.1ch/DCP/フィンランド語 原題『KUOLLEET LEHDET』/英語題『FALLEN LEAVES』
配給: ユーロスペース 提供: ユーロスペース、キングレコード 後援:フィンランド大使館
アルマ・ポウスティ Alma Pöysti
1981年生まれ。2007年にヘルシンキ大学シアター・アカデミーで修士号を取得。
以降、北欧諸国の多くの有名な舞台に立つほか映像作品にも出演し幅広い活動を続けてきた。
2020年『TOVE/トーべ』(ザイダ・バリルート監督)で主演を演じ映画俳優としてブレイク、この役でフィンランドのアカデミー賞にあたるユッシ賞で主演女優賞を獲得する。
TVドラマ「Helsinki Crimes」、「Blackwater」や2023年ヨーテボリ映画祭で主演女優賞を受賞した映画『4人の小さな大人たち』など数々の北欧の映画やTVドラマに出演。
今後の出演作としてファレス・ファレス監督『f1日半』(主演/Netfilxで配信中)、ピルヨ・ホンカサロ監督『Oreda』が控えている。
本作での演技が高く評価され、ヨーロッパのアカデミー賞と言われるヨーロッパ映画賞主演女優賞、第81回ゴールデングローブにてミュージカル・コメディ部門の主演女優賞にノミネートされた。
――Welcome to Japan! It was such a lovely surprise when I find out about this film, because I thought that Aki Kaurismäki had retired from filmmaking. How did he approach you for this project?
Alma Pöysti : Thank you! I think that it was a surprise for everybody including himself [laughs.] He got inspired again to make a film. So for me, I got a phone call one day saying, “Aki Kaurismäki would like to meet you. Would you be able to come?” It was such a surreal moment. I did not expect that that would happen to me in a million years. So I went to this lunch, and there he was in real person! I mean, I've grown up with his movies. I've seen them through my whole life. I even went to his bar and movie theater in Helsinki. I had never met him, but he'd been around always. So there he was. Jussi Vananen, my co-star from the movie, was also there and we had lunch. We talked about dogs. We talked about forest. We talked about politics. But we didn’t talk about the movie. Everybody was maybe a little bit shy at that point [laughs.] But then towards the end, he said that he had this idea for a movie and told us a little bit about the main theme, and asked us if we wanted to be in it. That was another very surreal moment.
――What was your initial reaction like?
Alma Pöysti : I thought it was incredible. It's really incredible. And of course, yes. I mean, yes! Then a year later, there was a script, and it was a beautiful text. Aki is a man of few words, so it was very short [laughs.]
――He's a man of few words, but he tells a lot in those few words.
Alma Pöysti : Exactly. They are the right words. And it's almost like reading poetry, and the descriptions were so fantastic and accurate and exact and funny and touching at the same time. It was all in the script, everything. So I was very impressed and taken by it. And then, a couple of months later, we started to shoot.
――I heard that Aki Kaurismäki has been working with the same crew for 40 years. How was working with him and his crew?
Alma Pöysti : It's been such a learning experience and it really took us on a ride to old-time filmmaking. It was shot on a 35-millimeter film. They have their own rules and the concentration on the set is amazing. He said to us that he prefers to do it in one take. So almost the whole movie is done in one and only take. At first, it felt terrifying because you have to succeed immediately. Jussi and I, we have been working with digital cameras, multiple cameras, multiple takes forever and ever and ever. One take means that everybody needs to get it right. The light, the props, everything needs to work when that camera rolls.
But then the moment you capture when you understand why it's actually extremely beautiful idea, because what the camera will see is the first and only time something happens. And then that moment becomes very, very precious. Because as soon as you repeat it, then there's a little bit of fake in it. So this is a very raw and honest way and aesthetic that you get from it is very rare.
――I really enjoy the silence and calmness in his films, but at the same time, I really like his sense of humor. What is he like in person?
Alma Pöysti : He's very funny. We call him the sensei of one liners [laughs.] I mean, he's very focused and he can put on a tough act, but he's got the warmest, softest heart. He's such a wonderful person. As I said, on the set, the concentration was very high. And these people have worked so long together that they don't need to talk, they have secret language somehow. But then someone cracks a joke and everybody explodes and it goes back to this very focused mood again [laughs.] Yeah, you could say that it's “Akilandia,” Aki's wonderland.
――How did you prepare for this role? What did you and Aki discuss about who Ansa is?
Alma Pöysti : It's all in the script, actually. So there was nothing really that even needs to be discussed somehow because he trusts me and I trust him. I mean, you can really trust Aki Kaurismäki because he knows what he's doing [laughs.] But he said, “please don't rehearse.” Don't rehearse before, not together and not alone. Somehow know the lines but don't spend too much time preparing.
――That sounds difficult.
Alma Pöysti : Yes! And in combination with one take, it's terrifying [laughs.] So what I did was, because I'm a nerd and I really needed to do something, I rewatched all of his movies. And I felt like maybe Ansa is a distant cousin to some other role in some other films. I thought there needed to be some kind of connection. He now has 20 films, and I'm a small link in this huge body of work. So you need to somehow calibrate yourself not to copy what anyone else has done before. You have to make your own work of course, but there needs to be a thought and a connection to it. So that was at least something I could do.
I also worked a little bit in a bar to get just a feel for it. And I went to the factory and the store where Ansa worked because it felt like those were important places for her and I needed to have them in my system in a natural way so it comes somehow effortless. So these were my small tricks, when you couldn’t rehearse [laughs.]
――It's interesting to hear that you tried to be a part of his cinematic universe, because I noticed someone from one of his movies in few scenes and felt a connection within his movies. When I saw him, I was like, he’s alive!
Alma Pöysti : Exactly! I'm so happy you noticed that [laughs]
――This film feels very timeless and I thought it’s set in the 60’s or something. Then you hear the news about Russian aggression towards Ukraine from the radio, and you realize that it’s set in today. I thought it means a lot to see a film with such empathy and humanity especially now. How did you perceive this story?
Alma Pöysti : I agree with you. Really. I think that it suggests caring as a counter force for cynicism or exploitation. And it tells that story, in many ways, many forms and shapes of how to care for one another. The other thing is that the love stories are right now what we really need, then we need to also bring them to real life, because that's where it's really needed. Also, there is solidarity in this film that I feel is very inspiring. We need to take care of each other better and not only take care of ourselves.
――This is probably the shyest love story that I've ever seen. I love the scene where Ansa and Holappa first meet at the karaoke bar without talking for a long time.
Alma Pöysti : It's so long! [laughs] I agree with you. This is the absolutely the shyest love story I have ever been in. Aki said, “OK, so there is one kiss on the cheek, there is one handshake and one kiss on the forehead. So this is full of passion!” [laughs] The scene in the karaoke bar was one of my favorite scenes to shoot, but I didn't think it was possible to make it that long! It's super romantic and at the same time, it's not sugar, it's vinegar [laughs.] I don't know, it's something else and that's maybe why you believe in Aki as well, because it's so brutal and so honest and rough. And at the same time, it's so human. Completely human.
――There are so many film references in this film. I thought it was so funny how they go watch “The Dead Don’t Die” on their first date. Did Aki tell you why he picked that movie?
Alma Pöysti : No, not really, but it was already in the script [laughs.] Jim Jarmusch and Aki, they've been blinking at each other forever. They have this special friendship through the movies as well which is just beautiful. It also feels like Aki is paying a homage to his cinematic gods throughout the movie with these references. I think it's very beautiful.
――I feel like I want to see it again to check all the posters in the background.
Alma Pöysti : Yes! I've seen it now a couple of times and I still see new things. It’s a very simple story but there are so many layers. And what I like about it is that it’s not an elitistic. Some movies are a little bit snobbish that if you don't know the references, you don't get the point, but he welcomes everybody. And then if you see some hidden gem, you will have a nice moment, but it's not the end of the world if you don't get it. He's a generous filmmaker in a way.
――Did you guys talk about movies on set?
Alma Pöysti : He constantly talks about movies [laughs.] He is really following movies, literature and music. And not only in a nostalgic way, but he follows everything that's happening. There's nothing dusty about his passion for films.
――And the music plays an important role in this film as well. I really loved the girl duo who plays in the bar.
Alma Pöysti: They are called Maustetyttö and it’s a real band. They are fantastic! They are sisters and they write all their own material. They're very, very popular in Finland and now with this movie, they're going to different countries and playing. And you know the name of the band, “Maustetyttö” means “Spice Girls” in Finnish. They are the two spices we didn't know we needed. The sad spice and the depressed spice [laughs.] I think it's a brilliant name!
――How did they come on board?
Alma Pöysti: Aki was listening to their music. He really follows, he's awake [laughs.]
――I can’t help asking you about the dog. Another cute dog in Kaurismäki’s film! I read that her real name is Alma like you.
Alma Pöysti : Yes! We have the same name. It's destiny. She's extremely professional. This is her debut and I'm just completely amazed by her talent, her sense of rhythm, the way she's making strong independent choices in the middle of the shoot [laughs.] I guess you get away with it when you're the director's dog. She's a street dog from Portugal that he adopted.
――This film won Jury Prize at Cannes Film Festival. How was that experience?
Alma Pöysti : That was mind blowing when we premiered there. We were in that big cinema and it suddenly felt so intimate. People were so happy that Aki was back and loved the film and him being there. That was really a strong and beautiful moment, and both Jussi and I were shaking for quite a while afterwards, because it was such a powerful situation.
ーーHow was the reaction?
Alma Pöysti : It was fantastic. People were crying and laughing and really taken by it. And it's been the same now all over the world. It’s very special to have this kind of talent that Aki has that people can connect to the films no matter where you come from, no matter what language you speak, you find the humor you find the heart, you find the loneliness that you feel with the characters, you connect with them. And it's very, very hard to do. He is a maestro.
――What was the biggest takeout through working with Aki?
Alma Pöysti : I think I learned a lot about how less is more. And sometimes, how little you need to tell a story. I'm now very interested in how pure you can act. How much can you take away the layers and let the camera in on that? That's one thing. I think that is very special to him.
There are so many things that I've taken away from this project. How he values films and how a film can really matter. It can give someone hope. You can be in a warmer place for 81 minutes and you can even change from watching a movie. And this, he proves somehow very strongly. So that's something I'm immensely grateful and happy to experience.
Photography Marisa Suda(https://www.instagram.com/marisatakesokphotos/)
text nao machida
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/movie-2/
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』煽り気味の皇帝にも注目!ザコとは違う圧倒的な七英雄との対峙【ゲームで英語漬け#153】
Game*Spark / 2024年12月22日 20時0分
-
この英語ってどんな意味?「apple of my eye」
OTONA SALONE / 2024年12月22日 7時0分
-
面接対策から日常会話まで、「日本語のオンラインプライベートレッスン」1月生・2月生の募集を開始!
PR TIMES / 2024年12月11日 17時15分
-
パレスチナ人ポップアーティスト Bashar Murad初来日公演決定!
NeoL / 2024年12月5日 12時0分
-
『ダンダダン』『ONE PIECE』『らんま 1/2』などBOOK☆WALKER GlobalにVIZ Media作品が3,900点以上追加!
PR TIMES / 2024年11月26日 18時15分
ランキング
-
1「ちょっと太った?」ズケズケと失礼な物言いをする保険屋を黙らせた“意外すぎる人物”の一言
日刊SPA! / 2024年12月24日 15時53分
-
2ケンタッキー公式 自宅で「オリジナルチキン」を温めなおす方法 SNS「クリスマスにぴったりな情報」
オトナンサー / 2024年12月24日 20時10分
-
3ホンダの「救済統合」否定で日産が問われる覚悟 チラつくホンハイの影、ルノーが握る「決定権」
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 7時20分
-
4幸せな老後を過ごすために50代で手放しておきたい3つの「G」
オールアバウト / 2024年12月24日 20時30分
-
5元銀行員が教える!日常使いする銀行の選び方3つのコツ
オールアバウト / 2024年12月24日 21時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください