空虚感や孤独感、そして「不在がある空間」を描く。ルディ・クレモニーニによる個展「Oh My Sweet KŪ」
NeoL / 2024年1月24日 12時0分
104GALERIEにて、2024年1月27日(土)~2月29日(木)の会期でイタリアのアーティスト、ルディ・クレモニーニによる個展「Oh My Sweet KŪ」が開催。前回の個展からおよそ2年ぶり、3度目の個展となる本展では、大小10点の作絵画作品が発表される。1月26日(金) にはギャラリーにてアーティストを囲みオープニングレセプションが開催され、どなたでも参加可能。
Oh My Sweet KŪというタイトルに使われているKUは「空」= “nothingness” を表している。しかし単なる「無」ではなく、観覧者の目とキャンバスの間の空間や、描かれた主題とその背景の間の空間なども含めた「空」、そして「nothingness = 空虚なもの、あるいは何も無いこと」を主題として取り上げるという作家の意図を反映している。
クレモニーニが描く主題には一貫して、空虚感や孤独感、そして「不在がある空間」が見られる。下書きやスケッチを用いずにキャンバスに直に絵具を乗せて描き出すクレモニーニの絵画からは、自らが語るこのような思考のプロセスが明確に伝わってくる。
私と絵の具の最初の対話は、キャンバスから絵筆が離れることなく長くゆっくりとした動きの中に現れるかたちや線から始まっているような気がします。論理的な思考や意志を挟まずに描くうちにそれぞれの線はだんだんと合わさっていき、やがて何かの意味を持ち始めるのでしょう。
イメージを持つことは、描くべき線を探すときに助けになってくれます。
線は意味を変えていき、何かの輪郭や境界線になります。ただの線は何かの端を表すものになり、水平の線がある場所には縦の線ができ、境界が現れると内と外にあるものが生まれます。この一連のプロセスは論理的な思考の動きではありません。
自分でも予期しないうちに、このようにして私の作品やテーマは生まれ、進化していきます。「門」を描いたものがやがて「動物園のシマウマ」になっていくとき、そこには何の不思議もないのです。あるいはスイミング・プールや、きっちりと線をひかれたテニスコートでも。
たくさんの絵を描いて、私はようやくその意味を理解できます。そしてそれはとても自然なプロセスです。
この頃こんなことをよく考えます。
線や輪郭を描いたら、その中には空(くう)を描きたい。
この展示でお見せする作品にはそんなテーマが表れています。
- ルディ・クレモニーニ
ルディ・クレモニーニ
ルディ・クレモニーニは、1981 年イタリア・ボローニャに生まれ、ボローニャ・アカデミーオブファインアーツを卒業後、現在同地を拠点に活動。これまでの主な個展として、カゼルタ宮殿(2018年、カゼルタ・イタリア)、Galerie Thomas Fuchs (2017年、シュトゥットガルト・ドイツ)、ベオグラード市博物館 (2017年、ベオグラード・セルビア)などが挙げられ、イタリアを初め、アメリカ、フランス、ドイツ、ベルギーなどで数多くの国際的な個展・グループ展に参加、また数々の賞を受賞し国際的に評価を得ている。近年ではCapsule Shanghai での個展(2022年)やウェストバンド・アート&デザイン 現代アートフェア(2023年)への参加など、上海でも大きな成功を収めている。
展覧会概要
ルディ・クレモニーニ
「Oh My Sweet KŪ」
会期:2024年1月27日(土)-2024年2月29日(木)
営業時間:11:00-17:00
休廊日:日・祝日 *2/12 - 2/16は休廊となります
オープニング・レセプション:2024年1月26日(金) 18:00-20:00 *作家在廊
会場:104GALERIE 東京都目黒区青葉台1-20-4 FORCE ビルB1F
03-6303-0956 / info@104galerie.com
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/art-2/
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