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エスパス ルイ・ヴィトン東京にてマーク·レッキーによる個展が開催

NeoL / 2024年2月21日 20時30分

エスパス ルイ・ヴィトン東京にてマーク·レッキーによる個展が開催

[caption id="attachment_126597" align="alignnone" width="1200"] Mark Leckey exhibition at L'Espace Louis Vuitton Tokyo, 22 Feb - 18 Aug 2024[/caption]
 
[caption id="attachment_126598" align="alignnone" width="1200"]

Mark Leckey exhibition at L'Espace Louis Vuitton Tokyo, 22 Feb - 18 Aug 2024[/caption]
MARK LECKEY – FIORUCCI MADE ME HARDCORE FEAT. BIG RED SOUNDSYSTEM
エスパス ルイ・ヴィトンでの展示風景(2024年)
FIORUCCI MADE ME HARDCORE WITH SOUNDSYSTEM
(10周年記念リマスター版) 1999-2003-2010年
FELIX THE CAT
2013年
Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris
Photo credits: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
 

エスパス ルイ・ヴィトン東京では、イギリス出身のアーティスト マーク・レッキーによる個展「Fiorucci Made Me Hardcore feat. Big Red SoundSystem」を開催し、代表作2点を展示する。本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンにて開催する「Hors-les-mur(壁を越えて)」プログラムの一環として行われる。





 
マーク・レッキーは、1980年代末のイギリス、ロンドンで頭角を現した「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト」(ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン、サラ・ルーカスなどを含む)の世代に属するアーティスト。但し、彼はその後すぐにアートシーンからほぼ姿を消し、戻ってきたのは1990年代の終わりだった。社会 ──より具体的には文化産業── におけるアーティストの立ち位置は、レッキーにとって重要なトピック。最近では、新しいテクノロジーと情報アクセスの急激な変革をきっかけに、いくつかの作品が誕生している。彼のパフォーマンス / プレゼンテーション作品《The Long Tail》(2009年)は、2004年にイギリス系アメリカ人の作家 クリス・アンダーソンが提唱した「ロングテール」という概念から生まれたもので、インターネットが可能にする広範囲への流通により、ニッチな消費行動も利益の源泉になり得ると主張する理論に基づいて制作された。同様に、レッキーは人間が身の回りの消費物と共存することに魅了され、工業製品とのコミュニケーションをもとにしたアニミズム的実践という、拡張された彫刻の概念を提案するにいたった。
 
シャルル・ボードレールが書いた「現代生活の画家」の延長線上にあり、オスカー・ワイルドやジョリス=カルル・ユイスマンスのような、生活と芸術を結び付けた世紀末ダンディズムの継承者であるレッキー。身近な生活環境をツールとして、またインスピレーションの源として捉え、日常の経験から切り離された芸術、という考え方を拒む。1970年代から1990年代にかけてのイギリスのサブカルチャー史を旅する彼の作品は、大衆文化が高尚なもの、興味に値するもの、本物の芸術作品を生み出す源と捉えられてこそ、真に評価される。ビデオ作品《Fiorucci Made Me Hardcore(》1999年)は、レッキーのアートシーンへの復帰を高らかに告げる作品であり、大衆文化とそのDIY的アプローチに対する彼の関心を例証したものだ。音楽バンドdonAtellerとJack Too Jackの創立者でもある彼は、レイヴ音楽を強烈な芸術表現のかたちと捉え、巨大なスピーカーの壁を立ち上げる作品《SoundSystems》(2001年-2003年)でそれを表現。本展で展示される《Fiorucci Made Me Hardcore with SoundSystem(10周年記念リマスター版)》(1999年-2003年-2010年)は、それら2つの初期作品を合わせることで、このDIY的アプローチを完璧に統合している。
 
自身を取巻く文化的、物質的環境からインスピレーションを得るレッキーの世界は言うまでもなく、オンラインかつデジタルで、サイバネティクス技術と生体工学技術に支えられている。彼はそれを、作品にもよく登場させる自身が夢中なモノたちを通して語る。彼の言葉によれば、「私はフェティシストで、モノを偏愛し、強く惹き付けられて、執着して、どうにかしてそれらを所有しなければと思っています。なぜならそのモノたちが、私を所有しているように感じるから。それに対してある種の応答をしたいのです」とのこと。それゆえに、漫画のキャラクターフィリックス・ザ・キャットを作品《Felix the Cat》(2013年)に取入れた時も、1928年に初めてテレビで放映された最初の主題となったこのキャラクター、つまりデジタル時代の幕開けのシンボルを援用することによって、この存在を自らのものにしたのだ。


 
マーク・レッキーは1964年イギリスのバーケンヘッド生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。

レッキーは労働者階級の家庭に生まれ、リバプールの対岸にあるマージー川西岸の小さな街で幼少期を過ごした。サッカーのフーリガンとデザイナーズのファッションが混在する若者のサブカルチャーの中心地で育ち、1990年にニューカッスル・ポリテクニックを卒業し文学士号を取得、1997年にロンドンに移住した。

彼の多岐にわたる活動は、ポップカルチャーとカウンターカルチャーの交差点に位置し、若者、レイヴ、ポップ、ノスタルジー、社会階級研究、イギリス史などを掛け合わせ、レディメイドの教えに従って彫刻、映像、音、パフォーマンス、そしてコラージュまでをも融合。1990年代後半からは、大衆文化とテクノロジーの関係性を問う作品群を発表。2008年にはターナー賞を受賞している。

マーク・レッキーは、ユリア・シュトシェク財団(ベルリン、2020年)、テート・ブリテン(ロンドン、2019年)、デンマーク国立美術館(コペンハーゲン、2017年)、MoMA PS1(ニューヨーク、2016年)、ハウス・デア・クンスト(ミュンヘン、2015年)、ハマー美術館(ロサンゼルス、2013年)、サーペンタイン・ギャラリー(ロンドン、2011年)、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2008年)などの重要な施設にて、いくつかの個展を開催。また、ニューヨーク近代美術館、ロサンゼルス近代美術館、テート・ギャラリー(ロンドン)、ポンピドゥー・センターとフォンダシオン ルイ・ヴィトン(共にパリ)のコレクションに作品が収蔵されている。


 
エスパス ルイ・ヴィトン東京
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5
ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F

お問合せ先:T 0120 00 1854
contact_jp@louisvuitton.com

開館時間:12:00-20:00
休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準じます。
入場無料
会場内の混雑防止のため、入場をお待ちいただく場合がございます。

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